クラシックのその先へ。ブランパンの新「ヴィルレ」がモダンでドレッシーなスタイルへとシフト

<取材協力>
ブランパン(BLANCPAIN)

昨秋、「ヴィルレ」の新作として一挙16リファレンスが発表された。マーク A. ハイエック社長兼CEOが「ヴィルレはブランパンのスピリット」と語る通り、ブランドの象徴たるこのコレクション。その深化した魅力を、余すことなく解説する。

中間色ダイアルに窺えるヴィルレの新たな方向性

ドレスウオッチコレクション「ヴィルレ」が、静かに、しかし劇的な進化を遂げた。伝統技術と現代的な実用性を高度に融合させ、まさに〝NEWクラシック〞の夜明けを告げるモデルとして新時代を築くこととなる。

今作における最大のトピックスは、やはり新開発のダイアルだろう。従来のヴィルレは懐中時計をルーツとする純白のダイアル(ラッカーやエナメル)が王道だった。あるいはシックなネイビーやフォレストグリーンも存在するが、そのどちらでもない「オパリン」と「ゴールデンブラウン」という絶妙なニュアンスカラーが採用された。これらは今作のテーマ「ゴールデンアワー」(日の出または日没の直前に現れる、太陽の光で周辺が燃えるような黄金色に染まる瞬間)を表現したもの。この黄金色と、ホワイトまたはブラウンが溶け合ったような美しい中間色となっている。オパリンは表面を微細な粒子状とするマットなタイプ、ゴールデンブラウンは表面を放射状のサンバースト加工で控えめに煌めく仕様であり、その使い分けからも開発陣の強いこだわりが感じられる。

 

開発時に描かれたスケッチから読み解く新「ヴィルレ」の合理性の美


↑インデックスの設計図。立体的なフォルムや、光を美しく反射させるためのエッジの面取りなど、緻密な計算に基づいたデザインだと見てとれる。


↑月齢ディスクのスケッチ。マン・イン・ザ・ムーンの表情のみならず、回転時に月と星空がどうバランス良く見えるかまでも考慮されている。


↑ケース、リューズ、ローターの原案。いずれも、職人の手仕事によって成立する美を宿したディテールの源泉である。

 

そしてヴィルレを語るうえでは、歴史的経緯にも触れることになる。1970年代、クオーツショックによってスイス時計産業が窮地に立たされた際、ブランパンはあえて機械式時計の復興を掲げた。そこで発表されたのが、コンプリートカレンダーからウルトラスリム、ミニッツリピーターまでを含む6つの傑作時計「シックス・マスターピース」だ。これらはコレクターの心を捉え、機械式時計の尊さを再認識させた。この系譜を継ぐのがヴィルレであり、ブランパンのスピリットを如実に示している。

 

「ヴィルレ コンプリートカレンダー」のルーツとなるオリジナルモデル


↑機械式とラウンドフォルムを共通とする「シックス・マスターピース」の第一弾(1983年)こそ、トリプルカレンダー+ムーンフェイズモデルだった。この直系が「ヴィルレ コンプリートカレンダー」で、その名は創業地に由来する。

 

新「ヴィルレ」は、同社のメティエダール製作チームも参加し、現代のクラシックとは何かを徹底検討し、モダンなテイストへと昇華させた新しいドレスウオッチの指標といえる。〝黄金の時間〞を腕元に留める今作が、時計愛の強い者にどう評価されるのか? かつての「シックス・マスターピース」と同じくらい、あるいはそれ以上のインパクトを与えるに違いない。

洗練のニュアンスカラーや新しい月齢表示で表情豊かに


ブランパン「ヴィルレ コンプリートカレンダー」 Ref.6654N-1142-55B 256万3000円

ブランパンを代表するドレスウオッチから、装いを新たにしたモダンな新作が登場。淡い色合いのオパリンダイアルの12時インデックスに創業者を意味する「JB」ロゴを採用したほかに、ムーンフェイズを立体的デザインに変更している。

スペック:自動巻き(自社製Cal.6654.4)、毎時2万8800振動、72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ。直径40.2mm、厚さ10.60mm。3気圧防水。

 

ヴィルレの成熟が示した世界観とバリエーションの広がり

新「ヴィルレ」において「コンプリートカレンダー」とともに発表された「ウルトラスリム」も、ゴールデンアワーを捉えた「オパリン」&「ゴールデンブラウン」の新ダイアルによってモンに変貌を遂げている。こちらは日付表示のみに機能を絞ったシンプルな時計で、ミニマルな意匠ゆえに新色の奥深さをダイレクトに味わえるのだ。

スペックは現行モデルと同じキャリバーが搭載されている関係から同等だが、18Kゴールド製のインデックスやローターの造形、視認性を高める針の夜光加工、そして手首との一体感を向上させるケースフォルムの微調整など、ディテールの隅々にまでブラッシュアップが行き届いており、使うほどにその優秀さを実感できることだろう。


↑新「ヴィルレ」はリーフ針の中央部を筒型にくり抜き、そこにさりげなくルミノバ加工を施す。明所では白いアクセントとなり、暗所では発光して時刻の読み取りを助ける。また、針と針の間のクリアランスが狭く、パーツ精度と技術の高さが窺える。

 

現代的な視点で深みと温かみを与えたニュアンスカラーで彩られたヴィルレ ウルトラスリムには、扱いやすいステンレススチールケースのラインナップもあるが、18Kレッドゴールドケースとの組み合わせが放つエレガンスは別格。時計の歴史を重んじたピュアな現行モデルも継続販売されるため、新作の登場で実用派ドレスウオッチの最高峰の選択肢が広がったことは望外の喜びである。

シンプルな3針自動巻きも都会的なエッセンスを纏う


ブランパン「ヴィルレ ウルトラスリム」 Ref.6651N-3642-55B 341万円

ヴィルレのスタンダードモデルにも新デザインのバリエーションが加入。18Kレッドゴールド製のスリムなケースに、きめ細かいマットな質感のオパリンダイアルを合わせ、高貴ながら柔らかさを感じさせる逸品にまとめ上げた。アリゲーターストラップも統一感のあるライトブラウンを選択。

スペック:自動巻き(自社製Cal.1151)、毎時2万8800振動、100時間パワーリザーブ。18Kレッドゴールドケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ。直径40mm、厚さ8.7mm。3気圧防水。

 

新「ヴィルレ」魅惑のバリエーションを紹介

フェイスとプロポーションの審美的な進化が新「ヴィルレ」の魅力だ。まずは、2大人気の「コンプリートカレンダー」と「ウルトラスリム」から登場した。ケースもダイアルも2種類が用意されており、各4型をラインナップしている。

◆ヴィルレ ウルトラスリム全4型◆

機能本位かつ美しいステンレススチールケースモデルの最高峰

曜日・月・日付、そして月齢を完璧な黄金比で配置するヴィルレ コンプリートカレンダー。卓越した技術が息づく複雑時計ながら、扱いやすいステンレススチールケース仕様をラインナップしている点も大きな魅力といえる。


↑(左から)Ref.6654N-1142-55B Ref.6654N-1146-55B 各256万3000円

 

NEWデザインのダイアルはゴールドケースとも相性抜群

新「ヴィルレ」のゴールドモデルは18Kレッドゴールドの一択で、オパリンとブラウンゴールドの両ダイアルとの組み合わせで一層ラグジュアリーな雰囲気に。一生モノのドレスウオッチの候補となる完成度の高さ。


↑(左から)Ref.6654N-3642-55B Ref.6654N-3646-55B 各452万1000円

 

◆ヴィルレ ウルトラスリム全4型◆

ダブルステップ・ベゼルと幅広ダイアルが絶妙にマッチ

ヴィルレ ウルトラスリムはダブルステップ・ベゼルのスリムな設計からダイアル面積が広い。シンプルであるからこそ、マットな質感のオパリンまたはサンバースト加工のブラウンゴールドの存在感が際立つ。


↑(左から)Ref.6651N-1142-55B Ref.6651N-1146-55B 各165万円

 

リーフ針のカラーを合わせてエレガントなデザインを確立

気品高き18Kレッドゴールドケースに合わせて、同色系のインデックス(18Kゴールド製)とリーフ針を使用。オパリン、ブラウンゴールドとのコントラストが美しく、クラシカルな装いのコーディネートにぴったり。


↑(左から)Ref.6651N-3642-55B Ref.6651N-3646-55B 各341万円

 

レディスモデルは「ヴィルレ デイト ムーンフェイズ」が全8型

1956年に当時世界最小の丸型機械式キャリバーを開発するなど、ブランパンは古くからレディスウオッチにも名作を遺してきた。その高度な技術と美学は新「ヴィルレ」でも遺憾なく発揮。ムーンフェイズに描かれた星型のムーシュ(ホクロ)のある貴婦人の顔も健在だ!!


↑(左から)Ref.6126N-2946-55B 405万9000円 Ref.6126N-4687-55B 272万8000円


↑メンズコレクションと同じく、ダイアルカラーはオパリンとブラウンゴールドの設定。インデックス8か所へのダイヤモンドセッティングが基本で、ダブルステップ・ベゼルにダイヤモンドをあしらったラグジュアリーなバリエーションも揃える。存在感と装着性を両立する33.2mm径ケース。自動巻き。

 


問い合わせ先:ブランパン ブティック 銀座 TEL.03-6254-7233

https://www.blancpain.com/ja

最新情報は、ブランパン公式LINEアカウントをチェック>>>


※価格は記事公開時点の税込価格です。

Text/山口祐也(WATCHNAVI編集部) Photo/吉江正倫

TAG

人気のタグ