ジュネーブ随一の老舗が生み出した極薄な珠玉の1本――TOKYOタイムピース(ヴァシュロン・コンスタンタン)

「トゥールビヨン」の製造には極めて高度な技術が必要で、限られたブランドにしかラインナップがない。そのためステータスウオッチの象徴とも表現されている。そんな時計界の頂点に立つトゥールビヨンと、世界中の人々を魅了する東京は、親和性が高いのではないか。連載『TOKYOタイムピース』の今回は、東京に似合うトゥールビヨンを搭載するヴァシュロン・コンスタンタンの渾身の一本を紹介。

構成/ウオッチナビ編集部 文/小暮昌弘
撮影/シバサキフミト スタイリング/石川英治(TRS)

ヴァシュロン・コンスタンタン「フィフティーシックス・トゥールビヨン」Ref.6000E/000R-B488 価格要問い合わせ/2018年にメゾンが満を持して発表した新コレクションに加わった、ドレッシーなトゥールビヨン。アイコンであるマルタ十字を象ったキャリッジが、1万8000振動のロービートでゆっくりと回転する様子は優雅そのもの。11mmを切る厚みと相まって、正統性あるドレスウオッチとして存在感を放つ。自動巻き。18KPGケースは直径41mm。3気圧防水。ブティック限定

複雑なグランドコンプリケーションをスリムな設計で実現

世界最古の時計メーカーとして知られるヴァシュロン・コンスタンタン。ジャン=マルク・ヴァシュロンがスイスのジュネーブでブランドを創業したのは1755年のこと。以来、一度も経営を第三者に譲ることなく、260年を超える歴史を刻んできた老舗中の老舗だ。

フィフティーシックス・トゥールビヨンは、1956年に発表された同社のアイコニックなモデル「リファレンス6073」に敬意を表してデザインされたモデルだ。シンボルマークであるマルタ十字の4枝から着想を得たラグ(ベルト・ブレスの固定部分)が特徴的で、ひと目でブランドが判別できる。

「リファレンス6073」が生まれた56年は、時計以外にもモダンな家具、新しいプロダクツやファッションが次々と世界中で生まれた、いわばデザインの黄金時代。時計の場合も美しいモデルが盛んに制作された黄金期といわれ、このモデルにも当時の魅力が現代に蘇ったような味わいがある。「トゥールビヨン」の場合、その複雑な構造からボリュームある厚さのモデルが多いが、これは22Kゴールドのペリフェラルローターを装備して、ムーブメントが厚さ6mmを切るという 驚くべき薄さに仕上がっている。

エレガントなその佇まいに、老舗の創造力と比類なき実力が感じ取ることができる。

 

問:ヴァシュロン・コンスタンタン TEL.0120-63-1755
https://www.vacheron-constantin.com/jp/home.html

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