G-SHOCKの耐衝撃性に、極限状態での使用を想定したプラスαの機能を持つのが「マスターオブG」コレクションであり、その第1号が1993年誕生の初代「フロッグマン」である。強力なダイバーズスペックを備える究極のタフネスG-SHOCKとして、さらには左右非対称デザインが生むユニークさで人気を博し、1990年代のブームの立役者となった。その新作は、初代とは比べものにならないほど高性能化し、極寒の南極でプロの信頼を勝ち取ったモデルがベースとなっている。
南極大陸の湖沼調査に使われる無人ロボとともに水底へ
高い防水性に加え、G-SHOCK特有の耐衝撃性を備える「フロッグマン」は、極限へのあくなき挑戦を続ける「マスターオブG」のフラッグシップだ。G-SHOCKで唯一“ダイバーズ”と名乗れるのは、ISO(国際標準化機構)規格200m潜水用防水を歴代続けて備えているためで、筆者は実際にダイビングを生業とするプロが、フロッグマンを着用している場面に何度か出くわしたことがある。数量限定の最新作「GWF-D1000ARR-1JR」は、まさにプロ中のプロである南極地域観測隊が認めたハイスペックを搭載するモデルである。
2018年1月、第59次南極地域観測隊の共同利用研究では、小型水中無人探査機「ROV」を使って南極湖沼に棲息するコケボウズの3次元マッピング調査を実施した。氷と湖底の狭い隙間にも侵入して観測する探査機は、水中でも安定した姿勢を維持するために頑丈かつ軽量であることが求められた。そこで航法用デバイスとしてその条件を満たすフロッグマンが利用されたのである。これをきっかけに、今回、ROVとのコラボレーションモデルが生まれた。
極寒の水中でも機能することを実証した深度&方位センサー
フロッグマンによる各種計測の正確さもあって、南極調査は無事に終了を迎えた。ROVの開発を行った東京海洋大学・後藤慎平助教は、「極限の環境にも屈しないフロッグマンがなければ成功しなかった」とのコメントを残すほど、その高い性能を評価している。
実際にROVにセットされたGWF-D1000B-1JFをベースとする新作「GWF-D1000ARR-1JR」は、過酷な環境での南極調査に挑んだROVのレッド・ブラック・オレンジ・ブルーを配し、ケースバック、バックライト、バンド、そして収納するスペシャルパッケージに南極大陸のシルエットをデザインしている。
G-SHOCKではレギュラー機以外、とくにこういったコラボレーションモデルの販売はワンショットがほとんど。しかもフロッグマンのそれとなると、製造本数も極めて少ないと予想される。店頭在庫がなくなった頃に探し回っても手に入れるのは困難なため、まだ流通しているいまが絶好の購入チャンスといえるだろう。
主な機能
●耐衝撃構造
●ダイビング機能
●水深計
●タフソーラー(ソーラー充電システム)
●トリプルセンサー(水深・方位・温度)
●マルチバンド6(標準電波受信)
●サファイアガラス風防
●カーボンファイバーインサートバンド
●ISO規格200m潜水用防水
問:カシオ計算機 お客様相談室 TEL.03-5334-4869
https://g-shock.jp/
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