“磁気帯び”は古くから時計メーカーの悩みの種であり、そのために研究や開発が繰り返し行われてきた。ダイバーやパイロット、鉄道員、技術者らは通常よりも磁気に接する機会が多く、彼らが身に着ける腕時計は耐磁機能が必須だったのである。「レイルマスター」などで耐磁時計のパイオニアだったオメガは2013年、磁気帯び問題に終止符を打つ歴史的な発表を行った。それが1万5000ガウスの耐磁性を誇る「マスター コーアクシャル キャリバー」の発明だ。以来、オメガは各コレクションへの採用を推し進めている。
シリコンやチタン、ニッケルリンといった非鉄素材で磁気を無力化
スマートフォンやタブレットPCなどが急速に普及し、耐磁性能向上の機運が高まっていた2013年、1万5000ガウスもの耐磁スペックを誇る「シーマスター アクアテラ」がリリースされ、一躍話題となった。当時までは一般的だった軟鉄製インナーケースでムーブメントを覆う発想から解放され、ひげゼンマイなどに非磁性の特殊なマテリアルを用いたことも特筆すべき点だった。これによって裏蓋は完全なシースルー化が可能になり、オメガ独自のマスター コーアクシャルを搭載するキャリバーを鑑賞できるようになったのである。
さらにオメガは自社製ムーブメントの品質向上に力を注ぐ。1万5000ガウスの耐磁性能を標準とし、姿勢差や日差などを高水準に定めた「マスター クロノメーター」検定をスイス連邦計量・認定局の協力のもとで策定し、新基準として設定。自動巻きのシンプルな3針式から自動巻きクロノグラフ、そして手巻きクロノグラフのムーブメントもマスター クロノメーター認定となった。そして43mmサイズのGMTワールドタイマーに搭載されているキャリバー8938も、最新のマスター クロノメーター ムーブメントとなっている。
問:オメガお客様センター TEL.03-5952-4400
https://www.omegawatches.jp/ja/
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