ウオッチナビ注目のクロノグラフ――ブルー×スクエアのザ・クラシックモデル「タグ・ホイヤー モナコ」

“ウオッチナビ注目のクロノグラフ”では、時計史に名を残す傑作クロノグラフがどのような進化を経て、現在の後継モデルへとたどり着いたかを解き明かす。この回は、古くからクロノグラフを製造してきたタグ・ホイヤーが世界に先駆けて発表した、初めての自動巻きクロノグラフ「モナコ」をピックアップ。ケース左に位置するリューズや銀幕のスター、スティーブ・マックイーンの存在など、語りどころが多いのもモナコの魅力である。

タグ・ホイヤー「ホイヤー モナコ キャリバー11 クロノグラフ」Ref.CAW211P.FC6356 69万3000円/スティーブ・マックイーンがプライベートでも愛用した初代モナコの復刻版。角型ブルーダイアルに当時と同じホイヤーロゴを配した。初代の左リューズを再現すべく、デュボア・デプラ社等と共同開発したキャリバー11を搭載。アヴァンギャルドな表情が、特にファッションに敏感な人から支持されている

世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブメントを搭載する角型防水時計

自動巻きクロノグラフの開発は困難、といわれていた1960年代、最初に立ち上がったのはホイヤー社4代目ジャック・ホイヤーだった。彼が共同開発を持ちかけたのは、なんとウィリー・ブライトリング。いくら顔なじみとはいえ、ライバル会社だ。周囲は驚いた。

しかし、両者は人格者であり、互いに認め合っていた。複雑機構の専門工房デュボア・デプラ社のジェラルド・デュボアも加わり、1965年、最強のメンバーでプロジェクトが始動する。

設計を担当したジェラルドは、当初からモジュール式を主張した。だが、従来の自動巻きにクロノグラフ・モジュールを追加すると厚みが増す。その打開策は4番目の協力社ビューレン(当時)にあった。新開発の小型マイクロローターを組み込むことで、1969年3月、ついに完成に至る。この世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブ「キャリバー11」を最初に搭載した時計のひとつが、このとき新規開発されたモナコだった。しかも、角型に防水性を持たせるのが難しかった当時、世界初の角型防水時計でもあった。左リューズが特徴的な力強い角型クロノは多くのアーティストに人気を博し、映画『栄光のル・マン』でマックイーンが着用したことで、伝説となったのである。

 

タグ・ホイヤー「ホイヤー モナコ キャリバー11 クロノグラフ」Ref.CAW211P.FC6356 69万3000円/自動巻き(Cal.11)。毎時2万8800振動。約40時間パワーリザーブ。作動カム。垂直クラッチ。ステンレススチールケース(シースルーバック)。カーフストラップ。縦横39mm。100m防水

 

問:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL.03-5635-7054
https://www.tagheuer.com/ja-jp

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