スイスには数多の時計ブランドが存在するが、「オリス(ORIS)」は珍しく独立資本体制を敷いている。しかもクォーツは展開しておらず、すべて機械式というから驚きだ。“スイス時計界の良心”とも称されるオリスは、コストパフォーマンスの高さで評価されており、そのシンボルといえるのが航空時計シリーズ「ビッグクラウン」である。
空に革新をもたらした偉大なパイロットウオッチの系譜
オリスのタイムピースは、陸・海・空・カルチャーの4つのジャンルにカテゴライズできる。“空”のビッグクラウンはブランドきっての定番ロングセラーシリーズで、1938年に開発された名機をルーツとしている。
その優れた機能が最初に注目されたのが、第二次世界大戦時だった。アメリカ空軍の飛行士たちが使用した際、極寒の高高度上空において凍えた手でもリューズが扱いやすく、名称通りの大きなリューズが役立ったという。またオリスはそれ以前、ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功した1903年から8年後に飛行士用懐中時計を初めて発明し、1917年には飛行士用腕時計も発表している。要するにオリスは航空史における重要な役割りを果たしたと同時に、ビッグクラウンという空のエポックメイキングなモデルも輩出したのだった。
近年、経年変化を楽しめるブロンズ素材を積極的に採用していることも、オリスが持つ進取の精神に符合するといえよう。大型リューズにコブラ針、コインエッジベゼルなど、オリジナルから受け継いだクラシカルな意匠と現代的な新要素の融合は、独立ブランドたる先駆的なフィロソフィーに起因している。
歴史に名を残す航空時計のエッセンスを凝縮
オリスを代表する2大機能=ビッグクラウン(大型リューズ)&ポインターデイト(針による日付表示)を、扱いやすい40mmケースに備える。ブロンズ製ベゼルリングやレザーストラップでオリジナルのヴィンテージ感を再現する一方、ドーム型の硬質なサファイアクリスタル風防や文字盤色のバリエーションなど、現代的な要素とライフスタイルに合わせた趣向を巧みに取り入れている。
問:オリスジャパン TEL.03-6260-6876
https://www.oris.ch/jp
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