後世に語り継がれる定番時計「カルティエ サントス」――紳士用腕時計の幕開けを告げたレジェンド

独自の美学を持つ「CARTIER(カルティエ)」は、時計のメンズコレクションも多彩にして華やかだ。とりわけ1904年に完成した世界初の紳士用実用的腕時計の末裔「サントス ドゥ カルティエ」は、同ブランドのシンボリックな存在であり、まさしく“定番時計”と呼ぶにふさわしい。現行モデルより、その魅力をひも解くこととしよう。

カルティエ「サントス ドゥ カルティエ MM」Ref.WSSA0010 72万6000円/自動巻き(自社製Cal.1847 MC)、毎時2万8800振動、約40時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット(レザーストラップ1本付属)。縦41.9×横35.1mm(厚さ8.83mm)。10気圧防水

流麗なラグを持つスクエアケースや、レイルウェイ目盛り、ローマ数字インデックスなど、初代サントスのディテールを踏襲しつつ、2018年にアップデートされた新生サントス。テクニカルな雰囲気のビス入りベゼルが上下に延び、ブレスレットとの一体感が高められた。

超一流ジュエラーが切り拓いた紳士用腕時計の歴史の扉

カルティエのウオッチメイキングの原点、「サントス」。それは世紀のイノベーションだったが、きっかけはふたりの会話にすぎなかった。ひとりは「操縦桿から手を離さずに時間を確認できる時計が欲しい」と訴えた、ブラジル人飛行家アルベルト・サントス=デュモン。もうひとりは「ならば時計を腕に巻けばいい」と着想したカルティエの3代目当主、ルイ・カルティエ。サントスはそれから3年後の1904年に完成したのだった。

丸型ムーブメントをあえて角型ケースに収め、都市建築など近代化する時代背景をベゼルのビスで表現。エッジを効かせたケースからラグへの曲線、視認性に優れた白い文字盤に黒いローマ数字という、実用的にしてエレガントな意匠も秀逸だった。そしてなにより、時計を腕に巻いて装うというライフスタイルを創造し、世に定着させた功績はとてつもなく大きい。

2018年に新世代へ移行して、現行サントスはデザイン性と機能性がさらに熟成されている。ブレスレットやストラップを簡単に付け替えられる新機構も好評だ。メンズウオッチの起源を知るカルティエならではの鮮やかなその手腕に、改めて惚れ直したファンも多いに違いない。

 

問:カルティエ カスタマー サービスセンター TEL.0120-301-757
https://www.cartier.jp/

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