後世に語り継がれる定番時計「ノモス グラスヒュッテ タンジェント」――ドイツに伝わるバウハウス精神を具現化

チェコ国境に近いドイツ東部、グラスヒュッテにて1990年に産声を上げた「ノモス グラスヒュッテ(NOMOS GLASHÜTTE)」。東ドイツに息づくデザイン哲学、“バウハウス”の理念に基づいた時計を輩出しており、そのなかでも「タンジェント」は国内や欧州の数々のデザイン賞を受賞するなど、ブランドきっての定番コレクションとなっている。この究極のシンプルシリーズについて、自社ムーブメント機から魅力をひも解く。

バウハウス精神を体現する究極にシンプルな機能美

一見、ノモス グラスヒュッテの時計はいずれも雰囲気が似ているのだが、実はコレクションごとにデザインはまったく違っている。面、円、直線、穏やかな曲線を組み合わせたディテールが、雄弁に個性を主張している。その声に耳を傾けながら、じっくり選んでほしい。

もっともメジャーであり、シンボリックなのが「タンジェント」である。1992年に発売されたファーストコレクションで、機能面でもデザイン面でも多彩なラインナップを揃えている。そもそも同社の魅力のひとつは、デザインの完成度にある。芸術と調和を目指したバウハウスの精神は、インダストリアルデザインに多大な影響を与えたモダニズム芸術の走りだ。無駄なものは足さず、むしろ引いていく。実用性や視認性に重点を置き、“時”を刻む機能を具象化したスタイルこそ、本質なのである。

タンジェントは、28年間そのスタイルを継承しながら、内部機構を進化させてきた。自社製自動巻きムーブメントを初搭載したのは2005年だ。2014年には、ひげゼンマイまで内製化した脱進機“ノモス スイング システム”を開発し、翌年は、薄型自動巻きキャリバーDUW 3001を採用して、タンジェント ネオマティックに搭載。2018年にはカレンダーディスクを最外周部に配したキャリバーDUW 6101を開発し、「タンジェント ネオマティック 41 アップデート」を完成させた。内外装ともに、ノモス グラスヒュッテの目指してきた理想が、ここにある。

 

“ノモスの顔”を内外共に大きく飛躍

ノモス グラスヒュッテ「タンジェント ネオマティック 41 アップデート」Ref.TN161011W2 50万6000円/自動巻き(自社製Cal.DUW 6101)、42時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース。ホーウィン社製シェルコードバンストラップ。直径40.5mm(厚さ7.9mm)。5気圧防水

自社製の薄型自動巻きキャリバーを41mm径ケースに搭載し、存在感と使い勝手を高めた新世代のタンジェント。直角を多用したシンプルな意匠は健在だ。文字盤をぐるりと囲むデイト表示は、2つの赤いドットに挟まれた数字が日付となる、遊び心に溢れた仕様。

 

問:大沢商会 時計部 TEL.03-3527-2682
https://nomos-glashuette.com/ja

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