2019年10月にデビューした「スピニカー(SPINNAKER)」が、時計専門店からセレクトショップ、ECサイトまで各方面で売れ行き好調と聞く。イタリアンブランドらしいデザイン性を追求した“カジュアルシティダイバーズ”をテーマに掲げ、ヨットやフリーダイビングなど海のスポーツを楽しむ人も納得の高機能を備える。そんな同社の最新2コレクションについて解説する。
インナースケールやグラデーションダイアルがヴィンテージウオッチを彷彿させる「ブラッドナー」
スピニカーの特徴は、機械式時計・ヴィンテージデザイン・ダイバーズ・高スペックといったトレンドをしっかり押さえつつ、手頃な価格であること。フラッグシップシリーズ「ブラッドナー」もそれに漏れることのないモデルだ。かつて一世を風靡した「コンプレッサーダイバーズ」をモチーフに開発されたという本機に、今回ブレスレットモデルが追加された。
コンプレッサーダイバーズとは、文字盤外周にあるインナースケールをリューズを使って回転させ、ダイビング時間を計る機能が付いた潜水時計。1960年代に各社が発表したダイバーズウオッチで、「ブラッドナー」はその歴史的なスタイルを現代に甦らせた。
レトロルックだが、ダイバーズとしての機能は申し分ない。力強い時分針と立体的なインデックスによって優れた視認性を発揮するグラデーションカラーの文字盤には、暗闇で強力に光るスーパールミノバ蓄光が塗布されている。そしてケースはサビに強い316ステンレススチール製で、傷がつきにくいサファイアクリスタル風防をセット。安定した精度を誇る日本製の自動巻きムーブメントを搭載している。また、ソリッドブレスレットと名付けられた新開発の7連ブレスレットは、腕に沿ってフレキシブルに可動するため、良好なフィット感を得られる。
大きな水圧に耐えるオクタゴンケースとミラネーゼブレスレットが海のツールであることを主張する「デュマ」
もうひとつの新作が「デュマ」。こちらは1970年代のモデルにインスパイアされた重厚なデザインのダイバーズウオッチだ。そのネーミングも、海洋学者のジャック=イブ・クストーが監督した海洋記録映画『沈黙の世界』で撮影を担当した、ダイビング界のパイオニアとして知られるフレデリック・デュマに由来する。
316ステンレススチールのいかにもタフそうな8角形ケースは30気圧防水を誇り、剛性と美しさを兼ね備える肉厚なミラネーゼブレスレットを組み合わせた。太い針、ドット&バーのインデックスから構成されるダイバーズらしい文字盤は、判読性に優れ、ブラッドナーと同じくスーパールミノバ夜光を各所に備える。これによって暗い室内からナイトダイビングまで、時刻の読み取りをスムーズに行える。
「ブラッドナー」も「デュマ」も、5万円でお釣りがくるという破格のプライスは実に魅力的だ。さらには、カラー違いを含めて多彩なバリエーションをラインナップしていることも人々を惹きつけている。高機能ながらもあくまで“カジュアルシティダイバーズ”。その姿勢が時計界に新たなムーブメントを起こす。
問:ウエニ貿易 TEL.03-5815-3277
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