創業者が1845年に工房を設立してから175周年、中興の祖である創業者の曽孫ウォルター・ランゲがブランドを再興してから30周年という記念すべき年の終わりに、A.ランゲ&ゾーネが最新作を発表した。気になるモデルは、創業地であるザクセンの歴史が色濃く反映された「サクソニア」ファミリーから3作。限定の「サクソニア・フラッハ」と、「サクソニア・アウトサイズデイト」の2つのバリエーションである。
クラシックフェイスに映える待望のシルバーカラーダイアル
ムーブメントは、アイコニックなアウトサイズデイトを持つ自動巻きキャリバーL086.8。二度組方式によって組み上げられる総部品数286個におよぶカレンダーウオッチは、比重の大きなプラチナを巻き上げ用のセンターローターの素材にすることで、高効率巻き上げを実現。主ゼンマイ自体も72時間パワーリザーブとすることで、高精度での時刻表示を安定的に行うことができる。もちろん自社製ひげゼンマイを持つチラネジ付きのフリースプラングテンプは、その受け板にハンドエングレービングを施すことで、個体ごとに異なる個性が与えられている。
シルバーダイアルに植字されているインデックスにはゴールド無垢を使用。適材適所に素材を配置する手法により、シンプルかつ小ぶりなドレスウオッチでありながら荘厳な雰囲気さえ漂わせる。
ゴールドストーンダイアル第2弾はブラック
2018年に登場して好評を博したサクソニア・フラッハのゴールドストーンダイアルが、今度は限定ブラックカラーとなって再登場。A.ランゲ&ゾーネの全キャリバーで最薄となる2.9mm厚の手巻きCal.L093.1を搭載し、ケース厚も6.2mmにまで抑えた薄型時計と幻想的なダイアルとの組み合わせは、またしても人気を集めそうだ。
このブラックのゴールドストーンダイアルは、ベネチアで発見された製法をもとに作られたガラスの一種。ガラスを加熱する間に極小の結晶を形成する銅が、表面に絶妙な煌めきを作り出すのだ。これをシルバー無垢のダイアルに流し落とし、表面を仕上げることで生み出される文字盤は、まさしく夜空に瞬く星々をも想起させる。その世界を存分に愉しめる時分針はシャープな造形で視認性が高く、実用性も持ち合わせていることを物語っている。本機は世界限定50本で販売はブティックのみ。目にすることさえ困難なレアウオッチとなっている。
思い返せば2020年の高級時計界は、リアルな世界はやむなく分断されたものの新作自体は例年通り豊富に発表されている。A.ランゲ&ゾーネも気づけば、アニバーサリーモデルを含む多くの新作を発表し、大きな節目の年を飾った。海外取材はまだまだ難しそうではあるが、多くの人の尽力のおかげで物流まではストップしていない。もし世界限定50本の希少なサクソニア・フラッハが日本に上陸することがあれば、その際はぜひ実物を手に取って眺めたいものだ。
問い合わせ先:A.ランゲ&ゾーネ TEL.03-4461-8080
https://www.alange-soehne.com
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