飛躍的に腕時計をスペックアップさせた「マスター クロノメーター」の称号
1848年創業のオメガは、懐中時計全盛期より高精度タイムピースの製造で名を馳せてきた。なかでも大きな転機となったのが、1894年に発表した高精度かつメンテナンス性にも優れる「19ラインキャリバー」の開発。別名「オメガキャリバー」と称されたこのムーブメントは、ブランドのさらなる飛躍の原動力となった。
こうした歴史からもわかる通り、オメガというブランドの特別性は、秀でた技術の量産化を行う姿勢にこそある。1999年に発表した「コーアクシャル脱進機」は、その際たる例だ。メンテナンス期間を劇的に伸ばすべく発明家のジョージ・ダニエルズ氏が考案した極めて難度の高い設計を、唯一、オメガだけが開発を実現。量産化まで成し遂げ、一般的な定期メンテナンスの周期とされる3~5年を8~10年にまで伸ばしたのだ。
キャリバーの高精度化とメンテナンス性の両立。これをさらに推し進めた成果が、「マスター クロノメーター」である。この称号は、スイスクロノメーター検定協会(COSC)の認定を受けたのち、スイス連邦計量・認定局(METAS)による8つのテストに合格した腕時計が得られるものだ。全品検査なので、購入時には証明書番号が記載された「赤いカード」が付属する。その番号をオンライン上で入力すれば、ユーザーは個体の正確なテスト結果を知ることが可能。ここまでの情報開示は、すべてオメガの自社製品に対する盤石の自信の表れだといえよう。
マスター クロノメーター開発までの道程
腕時計開発の歴史は、つねに課題解決の連続。なかでもオメガは潤滑油の劣化と磁気帯びの問題について、比類なき成果を挙げてきた。
完全無欠の高性能を証明する赤いカード
1999年の新機構量産化を経てもオメガは、グループ内企業と協力しながら他社と同じく分業制による生産体制を敷いていた。一方で、完全なる自社開発・製造できる設備を着々と整え、2007年にこれを達成。コーアクシャル脱進機も進化させたキャリバー8500は、2つの香箱によりパワーリザーブ残量に左右されるトルクの均一化を図りながらシリコンパーツの採用で耐磁性を持たせた。さらに2013年に新素材「ニヴァガウス」などの採用で超高耐磁性能を確立し、2015年にはMETASとともに「マスター クロノメーター」認定を制度化。このときすでに2020年までにほぼ100%の時計に同等の性能を持たせることが計画にはあった。実際、2015年の初認定モデル以降、1万5000 ガウスの耐磁性が標準装備の「マスター クロノメーター」認定モデルは増加。新工房が2017年に竣工するとその勢いはさらに加速し、現在では多くの製品に赤いカードが付属することとなった。
CONSTELLATION
右/ベゼルを留める左右4 つの爪と高精度の証明となる星が象徴的な一本。シルクエンボス加工により、文字盤に特有のテクスチャー感を創出。ブラックセラミック製ベゼルのローマ数字にはリキッドメタル™を用いている。 左/ブルーセラミック製ベゼルとK18 セドナ™ゴールドケースが美しく融合したラグジュアリー仕様。サンブラッシュ仕上げの文字盤にセットされた針やロゴなどもK18 セドナ™ゴールド製だ。
TRÉSOR
右/輝く月明かりを想起させる18K ムーンシャイン™ゴールドケースとレッドガーネットのグラデーション文字盤の組み合わせが優美。電池寿命を48ヵ月に延ばした最新型を搭載。左/独自開発した18K ムーンシャイン™ゴールドを外装全面に使った華やかなドレスウォッチ。モダンなデザインにダイヤモンドの華やかさを添えて。
「OMEGA(オメガ)」について創業年:1848年 |
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