腕時計は「色」でもっと楽しくなる vol.1 ―― ニーズの多様化や技術進化から生まれたハイエンドブランドの“色時計”

時計界では昨今、「色」に関する多様化が進んでいる。かつては手頃なカジュアルウオッチに限った魅力だったが、やがて高価格帯のモデルにも波及し、一種のブームになっている。文字盤のみならず、ストラップやケースに至るまで百花繚乱の様相だ。

ウオッチナビも注目するこの“色時計”について、識者の見解も交えながら特徴や魅力を解説。まずは、老舗ヴァシュロン・コンスタンタンとグラデーションダイアルの名手であるH.モーザーから紹介する。

腕時計はやはり見た目が重要。“色”が新たな客層を獲得する起爆剤に!!

色彩表現が多様化する時計界。それは作り手と受けての双方が生み出した、大きな潮流とも言えるようだ。自身も“色時計”を愛用する編集者、安藤夏樹さんは次のように語る。

「ムーブメントの進化が高止まりしている現状。何で差別化を図るかという点で、各社“色”に着目したと見ます。技術も進化していますし、わかりやすくもある。同じ理由でブレスレットなどの外装にも注力していますね」(安藤さん)

実際に“色時計”は着色技術や演出方法、その色を選んだ背景など様々である。とはいえ、作り手の事情だけでここまで普及はしないはず。

「人気の理由として考えられるのは、ビジネス服のカジュアル化。スーツよりもジャケパンが増え、スニーカーも許されるようになった。腕時計も同様に、ダイアルくらいなら遊べそうという心理が働いたのではないでしょうか」(安藤さん)

 

定番色に認められたブルーも、名門が手掛けるといっそうエレガントさを増す

ヴァシュロン・コンスタンタン「パトリモニー・マニュアルワインディング」Ref.81180/000R-B518 224万4000円

マジェスティック・ブルーと銘打たれた深みのある色彩が秀逸。この美しいブルーと、ピュアなラウンドフォルムの18Kピンクゴールドケース、細身のバーインデックス&時分針、“パール”と呼ばれるドット状のミニッツトラックなどが合わさり、6.79mm厚の超薄型ドレスウオッチに究極的なエレガンスを与えている。手巻き(自社製Cal.1400)。ミシシッピアリゲーターストラップ。直径40mm。3気圧防水。

 

問い合わせ先:ヴァシュロン・コンスタンタン TEL.0120-63-1755 https://www.vacheron-constantin.com/jp/

 

 

ファン激増中!! 話題のグラデーションダイアルの旗手によるグリーン

H.モーザー「パイオニア・センターセコンド コズミックグリーン」Ref.3200-1202 170万5000円

独自の美学に基づいて生み出されるH.モーザーのカラーダイアルは、スイス時計界からも一目置かれている。ブランドを象徴する存在へと成長した「フュメ」(フランス語で「スモーキー」の意味)と呼ばれるグラデーション文字盤を、深みのあるグリーンで実現したスポーティな3針モデルは売れ筋のひとつ。遠目からもそれとわかる圧倒的な存在感を誇る。自動巻き(自社製キャリバーHMC 200)。72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)。ファブリックストラップ。直径42.8mm。12気圧防水。

 

問い合わせ先:エグゼス TEL.03-6274-6120 https://www.h-moser.com/ja/

 

Text/WATCHNAVI編集部

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