100年以上の歴史を持つスイスウオッチブランド【オリス(ORIS)】は、歴史的な航空時計をルーツとするビッグクラウンシリーズや、高性能な自社ムーブメントモデルを輩出し、年々日本市場でも評価を高めている。2019年には国内初のブティックを東京・銀座にオープンし、知名度も注目度もさらに上昇中だ。
そんなオリスは、SDGs(持続可能な開発目標)の重要性を以前から認識し、様々な社会活動を通して貢献している。とりわけ海洋環境問題に対してはユニークな手法を用いたダイバーズウオッチ「アクイス」でその啓発に努めており、10年以上も前から環境団体とのコラボモデルをリリース。その売り上げの一部を支援金として充てるなど、ユーザーが各団体を間接的にサポートするシステムを築いている。
「エヴァーウェーブ」とのコラボレーション
機械式時計は”一生モノ”と表現されるように、メンテナンスを怠らないことで継続的に使用できる。これは昨今、社会的な運動となっているSDGsに通じるものであり、一貫して機械式時計にこだわってきたオリスはこの分野のパイオニアともいえる。2010年からは、母なる海の保護活動をサポートするモデルを定期的に発表するなど、社会貢献に積極的である。
そのような海洋環境について啓発するべく生まれた「アクイスデイト アップサイクル」は、エヴァーウェーブ(旧名、パシフィック・ガベージ・スクリーニング)を支援するモデルだ。リサイクルPETから作られたマルチカラーのダイアルは、ランダムなデザインに仕上がるためオリジナリティが高いうえ、エコを意識させる特別仕様となっている。なお本機はシースルー仕様のケースバックを通し、オリスレッドローターを備えるムーブメントの精緻なメカニズムを鑑賞することができる。
個々に模様が異なるリサイクルPETダイアルをセット
廃棄プラスチックが海洋に流れ出す前に回収する技術を開発している、エヴァーウェーブとのコラボレーション第2弾。2019年にリリースされた第1弾はケースバックにリサイクルPETメダルを使ったが、本機はダイアルに使用している。今回はメンズ向けの41.5mm径モデルとユニセックスサイズの36.5mm径モデルがラインナップされ、ペアウオッチとしても最適なコレクションとなっている。
「ワッデン海連邦事務局」とのコラボレーション
大西洋の北海に臨む500kmの海岸線に沿った、1万1500kmにおよぶ面積を有するワッデン海。広大な海や干潟などから構成され、約5000種もの生物が生息している。別名「ダットワット」とも呼ばれ、2009年にはユネスコ世界遺産に登録された。以前からこの地で環境保全活動に取り組んでいる「ワッデン海連邦事務局(CWSS )」は、デンマーク、ドイツ、オランダの三国の協力によって運営されており、重要な役割りを果たしているが、その活動に賛同したオリスは2021年より支援を行っている。
「ダットワット リミテッドエディション」は、この強力なタッグを記念して開発された限定モデルである。オリスが専用モジュールを開発し、搭載することで実現したポインタームーン表示をダイアル中央にレイアウト。潮の満ち引きと月齢を同時に指し示す、特殊なメカニズムを備えている。
オリス独自開発のポインタームーン表示を装備
北西ヨーロッパ大陸と北海の間に位置するダットワットは、世界最大級の潮汐が起こる地としても知られている。本機はそこからヒントを得て開発されたポインタームーン表示を装備。12時側がダークブルーで、6時側に移るにつれて徐々に淡いトーンになっているグラデーションダイアルも特徴だ。
「ヘラルド・デルビラール」とのコラボレーション
横に大きく開いた口を持ち、日本では“ジンベエザメ”と呼ばれているホエールシャークは、海の汚染や混獲が原因となって絶滅が危惧されている。魚類の中で最大サイズのこの種を15年以上も前から撮影を続け、保護活動も行っているへラルド・デルビラール氏をオリスはサポートしており、その絆を象徴する時計として「ホエールシャーク リミテッドエディション」は開発された。
本機は、世界中の熱帯・亜熱帯・温帯の表層海域に生息するホエールシャークを追うため、第2時間帯を表すオレンジのGMT針を搭載。この針がインデックスの内側に記された24時間表示を指し示す。また、24時間表示付きセラミックベゼルを時差ぶん回転し、GMT針が指したポジションを読むことで第3時間帯を読み取ることができる。セラミックベゼルがツートーン(昼間がブルーグリーン、夜間がブラック)に分けられており、昼夜を色別しやすくなっているのも実用的だ。
ジンベエザメの斑点模様を表現した独創的なダイアル
美しい海を彷彿とさせるブルーグリーンダイアルに、ダイバー憧れのホエールシャークの皮膚をモチーフにした凹凸パターンをあしらった個性派GMTウオッチ。限定本数の“2016”は、国際自然保護連合が発表した過去75年の間に人類が及ぼした影響により、ホエールシャークの個体数が半減してしまったことを示すデータが提示され、絶滅危惧種に認定された年にちなんだもの。
国内では【オリスクリーンプロジェクト】を不定期で実施海洋環境保全やマイクロプラスチック問題に向き合うオリスは、日本法人のオリスジャパンが企画して銀座ブティックの周辺でゴミ拾いを行う「オリスクリーンプロジェクト」を定期的に実施している。過去にウオッチナビ編集部も参加したが、きれいに清掃されているように見える銀座だとしても、予想以上にゴミが収集できた。こうした身近なところからできるエシカルな活動を通しても、オリスは環境問題に対する啓発を促している。なお「オリスクリーンプロジェクト」の最新情報は、オリスジャパンの各公式SNS(Facebook、Twitterなど)で発信されている。 |
問い合わせ先:オリスジャパン TEL.03-6260-6876 https://www.oris.ch/jp/
Photo/江藤義典 Text/WATCHNAVI編集部
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