1月4日、オメガが2022年最初の新作を発表した。「スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド」は、その名が示す通りブランドが誇る新旧の技術力が凝縮しており、価格もコレクション中の最高峰に位置。「スピードマスター」誕生65周年のアニバーサリーイヤーの先陣を切るにふさわしいカンバセーションピースとなっている。
いまのオメガを象徴するデザインと技術力が1本に結集
1969年に達成された人類初の月面着陸に携行されたクロノグラフとしてあまりにも有名なスピードマスターは、1957年の誕生以来、多くの人々に愛されてきたオメガを代表するスポーツウオッチである。世界的にも愛好家が多く、このコレクションだけで多くの書籍が存在する。そんな大定番が2022年で誕生65周年を迎えるにあたって発表された新作の一発目が、この「スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド」だ。
見た目には、初代スピードマスター「CK2915」を想起させるヴィンテージ調のスタイリング。だが、ケースにはオメガが独自開発したホワイトゴールド合金「カノープスゴールド」を採用。高い輝度と白さ、そして耐久性という構成を持つこの素材をブレスレットにも用いることで、純然たるスポーツウオッチに高貴な雰囲気が与えられた。ちなみに、18Kホワイトゴールド製の針やインデックス、オメガロゴにもカノープスゴールドPVDを施すことで、全体の統一感が図られている。なお、ダイアルはブラックオニキス製だ。
熱心なスピードマスターファンならご存知の「ドット・オーバー90」や「ドット・ダイアゴナル・トゥ 70」という、ヴィンテージデザインが反映されたベゼル上のタキメータースケールは、ブラックのグラン・フー(=高温焼成)エナメルによるもの。細部に至るまで手作業で作られることがよくわかる。
これらの時刻・計測表示に命を吹き込むムーブメントは、オメガの歴史上でもとくに重要視されている「キャリバー321」。初代からアポロ計画での着用モデルにまで採用されたこの名機は、オメガが執念で復活させた2019年以降、現在はごく限られたモデルにのみ搭載されている。このムーブメントの動きを楽しむためにセットされた裏蓋のサファイアクリスタルガラスには、コレクションを象徴する「シーホース」がエングレービングされている。細かく見ると、その目が煌めくブルーサファイアで彩られていることがわかるだろう。
この特別モデルは、ローズウッドのような模様が施された特別な木製ボックスに収納されるとのこと。このボックスの形やデザインは、1957年当時に購入者が手にしたであろうスピードマスターのオリジナルボックスにインスパイアされて製作されたものだという。
限定本数などは知らされていないが、キャリバー321Bの製造自体が希少なことに加え、フルカノープスゴールド製のウオッチに、手作業満載のディテールという点まで考慮すれば極めて希少であることは間違いない。資金があっても購入できるとは限らない、まさしくコレクター垂涎の一本といえるだろう。
問い合わせ先:オメガお客様センター Tel.03-5952-4400 https://www.omegawatches.jp/
TEXT/Daisuke Suito(WATCHNAVI)
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