ここ数年、毎回の新作発表でサプライズを用意してくるブライトリングだが、今回の発表の話題性は過去最大級といってもいい。3月29日、スイス上空で行われたブライトリングサミットにて関係者に披露されたのは、誕生70周年を迎えてスタイルを刷新した「ナビタイマー」である。バリエーションも豊富に用意された最新世代をさっそく紹介しよう。
サイズは46mm、43mm、41mmの3種類。
カラバリ含めて14リファレンスを展開
「タイプ52」回転計算尺を備えたナビゲーションウオッチとして1952年に誕生した「ナビタイマー」は、今年で誕生70周年。この節目に発表された最新型は、従来のブライトリンのBロゴに代わってAOPA(Aircraft Owners and Pilots Association=国際オーナーパイロット協会)ロゴを採用。ナビタイマーのモデル名表記は6時インダイアルの上側に置かれ、カレンダー表示も同インダイアルの下側となった。さらにタキメーターも外すなど、大小様々なデザイン変更によって文字盤のレイアウトがシンメトリーとなり、全体的にすっきりした印象となった。
実は今回の発表を前に自社資料を見直していたところ、ナビタイマーはAOPAの要請により1952年から開発に着手したのだという。その2年後に完成品を納品、翌年から一般販売が開始されたそうだ。また、パイロットウオッチとして有名ではあるものの、愛用者にはシンガーソングライターのセルジュ・ゲンズブール、ジャズ・トランペッターのマイルス・デイビス、F1チャンピオンのジム・クラークやグラハム・ヒルらの名前が連なる通り、あらゆる人々に愛されてきた実績がある。つまり、ナビタイマーは航空時計だけにあらず。人生という旅にかかせないナビゲーションツールなのである。
話を新作に戻そう。今回のリニューアルで変わったのは文字盤だけではない。回転ベゼル側面の刻みに一定の幅を持たせて、リューズは絶妙に小径化。ラグの幅は細くシャープになり、サファイアクリスタル風防は膨らみを持つフラット型となっている。アイコニックな7連ブレスはポリッシュとヘアラインの仕上げ分けを採用。ケースにつなぐエンドピースは、中央3つのポリッシュされたコマから始まるようになった。この仕上げ分けはラグやプッシュボタンにも見ることができる。
ディテールの変更点はまだまだ尽きない。シースルーバックから覗くキャリバー01は、これまでにも時計好きの目を愉しませてきたが、最新型では自動巻き上げローターが肉抜きされ、ハイスペッククロノグラフの動きがより見渡しやすくなったのである。この点の仕様変更を考慮すると、従来機から10万円以内の価格アップは納得がいく範囲だと思われる。
今回のリニューアルは、ナビタイマーのアーカイブピースRef.806にインスピレーションを得たというものの、そこにレトロな雰囲気は感じられない。むしろ、モデル名の由来となった「タイムキーパー」と「ナビゲーション」という役割の純度をより高めた、極めて現代的なナビゲーションウオッチとなったといえよう。
「ナビタイマー B01 クロノグラフ 46」109万4500円(革)〜 自動巻き(キャリバー01)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチール、または18Kレッドゴールドケース(シースルーバック)。直径46mm(厚さ13.95mm)。3気圧防水
「ナビタイマー B01 クロノグラフ 43」107万2500円(革)〜 自動巻き(キャリバー01)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチール、または18Kレッドゴールドケース(シースルーバック)。直径43mm(厚さ13.69mm)。3気圧防水
「ナビタイマー B01 クロノグラフ 41」105万500円(革)〜 自動巻き(キャリバー01)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチール、または18Kレッドゴールドケース(シースルーバック)。直径41mm(厚さ13.60mm)。3気圧防水
問い合わせ先:ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707
Text/Daisuke Suito (WN) Photo/Masanori Yamaguchi
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