かつて時計は限られた者たちだけが所有できるアイテムであり、至高の嗜好品だった。今回は王侯貴族に寵愛され、いまなお多くの人々を魅了し続けるハイブランドの名品を紹介。まずは“王道”中の“王道”、「カルティエ(CARTIER)」より解説する。
超一流ジュエラーが切り拓いた紳士用腕時計の歴史
世紀のイノベーションは、ふたりの男の出会いから始まった。ひとりは、「操縦桿から手を離さずに時間を確認できる時計が欲しい」と訴えたブラジル人飛行家のアルベルト・サントス=デュモン。もうひとりは、「ならば、時計を腕に巻いてしまえばいい」と着想したカルティエの3代目当主ルイ・カルティエである。そして、1904年に完成した腕時計こそ、“世界初の紳士用腕時計”といわれる「サントス」だ。当時は王侯貴族の文化が最後の華を咲かせたベル・エポックの時代。「サントス」はアール・デコ様式を先取りする美意識のもとに作られ、同時にメンズウオッチの歴史を切り拓いたマスターピースでもある。
カルティエ「サントス ドゥ カルティエ LM」Ref.CRWSSA0018 88万5500円
1847年、パリに創業し多くの王族やセレブリティに愛されてきたカルティエが、飛行家サントス=デュモンのため、1904年に製作した腕時計がルーツ。都市建築など急速に近代化する時代背景をベゼルのビスで表現し、エッジをきかせたケースからベゼル、ブレスレットへと緩やかにカーブを描く。その特徴的なディテールに18Kイエローゴールドを採用したコンビネーションモデルもラインナップされている。
スペック:自動巻き(自社製Cal.1847 MC)、毎時2万8800振動、約40時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット(交換用カーフスキンストラップが付属)。縦47.5×横39.8mm(厚さ9.08mm)。10気圧防水
問い合わせ先:カルティエ カスタマー サービスセンター TEL.0120-301-757 https://www.cartier.jp/
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