――開発には、どのくらいの期間を要したのでしょうか?
フランクさん:構想からおよそ5年です。以前より、BRコレクションにブレスレットタイプを望む声が寄せられていたこともあり、開発に着手しました。しかし安易にブレスレットを付けるだけではベル&ロスとしての独自性が失われてしまいます。そこでケースとブレスレットに一体感があり、休日だけでなくビジネスでも使っていただけるスポーティなデザイン案が浮上しました。
――いわゆる、ラグジュアリースポーツといわれるジャンルですね?
フランクさん:そうです。1970年代に生まれたこのジャンルは、革新的なデザインとして時計界に変革をもたらしました。ステンレススチール製のケースとブレスレットはトータルでデザインされており、ボリューム感のあるスタイルがこのとき生まれたのです。非常に理にかなった設計思想ですが、むしろ現在にこそ当てはまるものではないでしょうか?
――なるほど。スタイリッシュさの中に個性も求められる時代なので、“ラグ・スポ”は最適だと。
フランクさん:おかげさまでBRコレクションは世界中で好評をいただいています。スポーツウオッチとして確立されたことで、ベル&ロスは新たな分野にチャレンジするべきタイミングでもあったのです。
――フランクさん個人として、この「BR05」のお気に入りはどこでしょう?
フランクさん:ひとつはラグです。ここが52度という絶妙な傾斜になっており、優れた装着感の秘訣になっています。ブレスレットとの相性はもちろん、私がいま着けているラバーストラップともマッチしています。さらにケースバックから見えるローターも特別です。BRとしては初のフルシースルーバックで、こだわりのローターはスポーツカーのホイールリムに着想を得たものです。
――今後、この「BR05」の派生モデルが生まれる可能性は?
フランクさん:(笑)気が早いですね。今回はカラーのバリエーションや限定のスケルトンモデルも登場したので、まずはこれらを吟味していただきたいと思います。ただ、「BR05」はプラットフォームが素晴らしいので、将来的に異なる素材やムーブメント、クロノグラフの搭載なども期待できます!
これまでBRコレクションは、休日をアクティブに楽しむための時計として選ばる傾向が強かった。しかし「BR05」の誕生によって、オンオフ問わずあらゆるシーンにマッチするコレクションとして幅を広げた印象だ。それもベル&ロスが重視する視認性、機能性、信頼性、高精度を受け継ぎつつ、同時にオリジナリティも散りばめている。これだけ同社の思いが盛り込まれているのだから、ヒットは間違いないだろう。
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