外装だけに留まらないモジュールの進化
–まさにオールカシオのテクノロジーが結集して出来上がったダイバーズウオッチなんですね。とはいえ、そこはカシオの時計開発陣ですから、さらに新しく挑戦したことがあるんじゃないですか?
佐藤さん:この時計は、新しいモジュールを搭載していて、最も大きなポイントはブルートゥースを常時接続にしていること。従来は1日に4回の自動接続を行い、それ以外は手動で通信させる方法でした。それが常時接続になったことで、たとえば海外に行ったとしてスマートフォンの方が現地時刻に切り替わったら、同時に時計の時刻表示も修正されるわけです。
若山さん:文字盤の3時位置にあるモード表示ダイアルの上部には、世界各地の潮汐情報を表示する「タイドグラフ」を波型で設置しています。同じダイアルにある「DIVEモード」には、時計の7時側にあるボタンの長押しで切り替わります。DIVEモードでは時分秒針が12時のスタート位置に移動し、計測を開始するんです。この時のダイビングデータやダイビングスポットのログをはじめ、時計の操作方法や設定、調整は、すべて無料の専用アプリOCEANUS CONNETCTEDで簡単に行うことができます。
–私の試用期間はまだアプリが公開されていなかったのですが、それでもリューズを使ったワールドタイム設定やDIVEモードへの切り替えなど、直感的に使いやすかったですよ。4時側のボタンを押すとLEDライトがじんわりと灯って消えていく様子は、この時計でとくに気に入ったポイントでした。これらすべてを光発電だけで賄うというのは、技術的にもすごいことだと思うのですが。
佐藤さん:遮光分散型のソーラーセルやそれぞれの機構の省電力化など、日々進化しているカシオの技術の賜物ですね。
カシャロの名に相応しい防水性能を持つダイバーズウオッチ
長澤さん:モジュールの進化もそうですし、外装面でも最近のオシアナスのデザインアイコンである「サファイアベゼル」を踏襲したままで高い耐久性を維持できたことは達成感がありますね。
若山さん:ダイバーズウオッチに欠かせない回転ベゼルを回した時のクリック感にもエレガントさを感じて頂けるようこだわっています。また12時の蓄光マーカーは傷にも強いサファイアベゼルの裏面から一つひとつ手作業でセットしているんですよ。
–外装チームは、そんな細かな工程を増やしてでもデザインファーストを貫いた、と(笑)
若山さん:透き通った海の煌めきをイメージした0〜20分位置のダイビングスケールの水色も、OCW-P2000の為に新しく開発した色なんです。
–個人的な意見ですが、オシアナスは薄型を追求してきた「マンタ」に対し、「カシャロ」のイメージが弱いと感じていましたが、このダイバーズウオッチの完成でプロダクトラインの住み分けもわかりやすくなったように思います。
佐藤さん:ご意見の通り、プロダクトラインを明確にする狙いがありました。「カシャロ」は、いままでオシアナスのなかでもスポーティな世界観を強めたラインとして展開してきました。カシャロはフランス語で「マッコウクジラ」という意味で、体長15m以上、体重30トン以上という巨体で捕食するために1000m、ときには2000〜3000mもの深海へと潜水する哺乳類最強クラスの潜水能力を持ったクジラです。このOCW-P2000で、その名に相応しいダイバーズウオッチとしてプロダクトラインをリニューアルしました。
オシアナス初のダイバーズウオッチOCW-P2000の開発工程は、これからカシオがフルメタルでダイバーズウオッチを製造するうえでの重要なマイルストーンプロダクツとなったに違いない。一方、同時期にはG-SHOCKからもフルアナログのフロッグマンのリリースが予定されている。選ぶべきはエレガントさか、タフネスか。購入する側としては、とても悩ましい選択だ。
問い合わせ先:カシオ計算機 お客様相談室 TEL 03-5334-4869
http://oceanus.casio.jp/
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