待望のシルバーカラー登場でラインナップが出揃う! スリムで実用的なG-SHOCK【MTG-B3000シリーズ】

2023年に“40周年”を迎える【G-SHOCK】において、質感を高めるメタルと自由なデザインを可能にする樹脂を融合した「MT-G」は、メタルツイステッドG-SHOCKという高いステータス性を誇る。これまでもオンオフ両用できるコレクションとして人気を博してきたが、真の意味で両刀遣いと呼べるMTG-B3000シリーズのシルバーカラーモデルが追加ラインナップされた。色バリエーションという域を越えたその注目作は、G-SHOCKを別々の視点から見つめてきた2名のキーマンが手掛けたという。その開発ストーリーや魅力についてそれぞれに語ってもらった。

あらゆるシーンで着用できるG-SHOCKを目指して企画・開発

 

2022年10月にリリースされたばかりの「MTG-B3000D-1AJF」は、5月に先行して発売された「MTG-B3000BD-1AJF」のカラーバリエーションという位置付けではあるものの、「IP剥離」なる革新的技術を用いたり、仕上げを意図的に変更するなど、外装の特徴で差別化が図られている。これがオンタイムから休日まで幅広く適応する外観に関係していると、シリーズの担当デザイナーである濵上朋宙さんは語る。


濵上朋宙さん/カシオ計算機株式会社 技術本部 デザイン開発統轄部 第一デザイン部 Gデザイン室所属/オシアナスやエディフィスのデザインを担当した後、海外へ赴任。帰国後、G-SHOCK全般のデザイン開発に従事。MTG-B3000シリーズを手掛ける。

 

(濵上さん)MTG-B3000D-1AJFのデザインテーマは、ずばり“光と影”です。光が当たった時にだけ艶感が出て、ジャケットやシャツの袖口から覗かせる時には控えめに佇む。存在感の強弱をスマートに見せるために、ステンレススチール部の仕上げにとことんこだわりました。加えて、様々なシーンでご利用いただくためにスリムなデザインにも意識しています」

―― 高級時計の多くは外装の仕上げ方法を使い分けることで見え方の差を生み出し、美しさや洗練さをアピールしている。プレミアムなG-SHOCKであるMT-Gもメタルの質感が求められるわけだが、新作のMTG-B3000D-1AJFはステンレススチールのシルバー色を生かすための工夫を凝らしているという。

(濵上さん)「見える部位のほとんどをヘアラインで磨き上げ、落ち着いた雰囲気としています。一方で、ブレスレットと面するラグの側面やブレスレットのコマとコマを繋ぐ側面にミラー仕上げを施しています。これによって“光と影”の演出がなされ、光が当たったときにだけキラリと光を帯び、その高級感をユーザーご自身や高級時計の要素をご存知の方に気付いてもらえる。ややマニアックのように聞こえてしまうでしょうが、ディテールの良さを自慢いただけるような外観を目指しました」

―― G-SHOCKらしいタフなスタイルを堅持しつつ、クラス感のある仕上げを実現。相反するものの両立は、間もなく誕生から40年を迎えるロングセラーブランドがたどり着いた境地といえるだろう。長くG-SHOCKの企画に携わり、今回のMTG-B3000シリーズを統括する立場である田部宏和さんも、実用派MT-Gの出来栄えに満点を与えている。


田部宏和さん/カシオ計算機株式会社 技術本部 企画開発統轄部 企画部 第一企画室所属/商品企画の分野からG-SHOCKやBaby-Gなどを長らくプロデュース。MT-Gのさらなる飛躍を目指す方針から、約2年前より同シリーズの開発にも携わる。

 

(田部さん)「MTG-B3000シリーズでは、先にカラーIPで個性を前面に押し出したMTG-B3000BD-1AJFやMTG-B3000BD-1A2JFを発売開始(2022年5月)しました。MTG-B3000D-1AJFのように、ステンレススチールの地を生かしたバリエーションを後からリリースすることは稀といえます。まったく個性が異なるニューカラーの登場で、これまでMT-Gをターゲットにされてこなかった方にも響くモデルとなっているはずです」

(濵上さん)「ヘアラインとミラーの仕上げ分け以外にも、MTG-B3000D-1AJFはMT-Gで初めて“IP剥離”という独自の外装技術を用いています。ベゼルがその代表的なパーツです。先にブラックIPをかけた後にIPを研磨によって剥離させるもののため、もったいなさや手間を感じますよね(笑) ですがこの行程によってベゼル天面に彫られたロゴや機能表記が立体的な造形となり、明瞭なブラックに仕上がります。ヘアラインのステンレススチール部とのコントラストも際立って見えるわけです。ベゼル以外では、ホーニング加工した4本のブラックビスの斜面にも同様の“IP剥離”を行っており、細部にわたって“光と影”のアイデアを盛り込んでいます」

―― 光を帯びるディテールは「IP剥離」部位以外にも、縦線とミラーで仕上げ分けした立体的なインデックスや、シルバーアルマイト処理の後に中央部をレザーで切削してブラックアルマイト処理と蓄光を入れた時分針も、“光と影”の効果をもたらしている。全貌はシャープそのものだが、意図的に散りばめられているのだ。

(田部さん)「機能もスマートです。MTG-B3000シリーズの共通モジュールは、スマートフォン連携や標準電波対応、ソーラー駆動を実現するオシアナス向けの薄型モジュールをベースに、トリプルGレジスト(耐衝撃構造・耐遠心重力性能・耐振動構造)をカバーするスペックへと進化させています。高密度実装技術による電子部品の集積化によってダウンサイジングを果たしました。さらにカーボン強化樹脂で小型化と軽量化を成立させたデュアルコアガード構造と、ベゼルまでせり上がった複雑な形状のステンレススチール製ケースバックの組み合わせにより、MT-G最薄をマークする厚さ12.1mmに収めることができました

―― 腕時計のサイズと存在感はイコールである一方、ビッグケースは概ねフィット感を阻害する。欧米を中心に大型のG-SHOCKが好調と聞くが、国内のニーズに応えるためにはサイズダウンが理想。そんなユーザビリティを満たすアイデアも、新世代のG-SHOCKデザイナーである濵上さんが提案した。

(濵上さん)「ケースと同じくらい、四苦八苦しながら考案したのがワンプッシュで交換できるバンドの構造です。MTG-B2000シリーズもチェンジャブル機能を搭載していましたが、交換のためには工具が必要でした。それを必要とせず、出掛け先でも手軽に、そしてコツを掴めばわずか数秒で、内側にファインレジンを組み込んだレイヤーコンポジットバンド⇔ソフトウレタンバンドを自在に交換できる理想形を目指しました。もちろんG-SHOCKらしいツール感のある見た目を崩さないために、ラグの両側に設置したプッシュボタンをパイプのようなデザインに仕上げています」

 

 MTG-B3000シリーズのバンド交換方法


①ラグ両脇に設置されたブラックのパイプパーツを同時に押し込む。すると内側の特殊なバネ棒が縮まり、バンドのロックが解除される


②両パイプを押し込んだままレイヤーコンポジットバンドを引く。すると嚙み合っていた特殊なバネ棒からバンドが着脱できる


③両パイプを押し込んだまま交換用の専用ソフトウレタンバンド(別売)をセット。試行錯誤のうえに完成した絶妙な角度でのみ取り付けできる設計だ

 

(田部さん)「改めての説明は必要ないかもしれませんが、バンドも時計本体と同じように耐衝撃性や耐久性のテストを繰り返し、G-SHOCKの基準を満たす作りとなっていますし、付け替えによる耐用性のチェックも検証済みです。MT-Gを含め、これまでG-SHOCKにはご愛用者様からバンド交換に対するご要望が多数ありました。これに応えるのがMTG-B3000シリーズといえます」


MTG-B3000専用の交換ソフトウレタンバンド(BANDGS52P-1JR/1万6500円)セットのイメージ

 

―― デビューからハーフセンチュリーへと向かうG-SHOCK。濵上さんのような若手デザイナーと、G-SHOCKのフィロソフィを心得る田部さんのような指揮者のタッグにより生み出されたMTG-B3000シリーズは、唯一無二のタフネスウオッチの輝かしい未来を暗示するかのような存在といえる。

(濵上さん)「G-SHOCKブームが最高潮に達した90年代、私は多感な学生時代を過ごしました。ストリートファッションとともに、G-SHOCKにも強く影響を受けた世代かもしれません。そんな自分がG-SHOCKのデザイン開発に携わっている事はとても感慨深いです。自由な発想を受け入れてくれる体制と製造現場の多大なる協力があり、質感やフィット感の高さ、さらに目新しいバンド交換システムを備えるMTG-B3000シリーズは成り立っています。ぜひとも店頭で触れていただきたい、そんなMT-Gに仕上がっています」

―― ファーストモデルDW-5000Cの開発者である伊部氏を筆頭とする先人らの意思を継承しながら、新たな才能を参画させてG-SHOCKは進化してきた。これまでもTPOを問わずに使えるコレクションを輩出してきたが、真の意味で実用的なMTG-B3000D-1AJFほど、そのグランドデザインを体現する一本はない。ビジネスウオッチ市場のパラダイムシフトを狙うMT-Gが、ここに誕生したのだ。


(左)G-SHOCK「MTG-B3000BDE-1AJR」 16万5000円 (右)G-SHOCK「MTG-B3000D-1AJF」 13万2000円

 


G-SHOCK「MTG-B3000D-1AJF」 13万2000円/クオーツ(Bluetooth搭載電波ソーラー)。カーボン強化樹脂+ステンレススチールケース(一部ブラックIP加工)、内面反射防止コーティングサファイアガラス風防、レイヤーコンポジットバンド。縦51.9×横50.9mm、厚さ12.1mm、重量148g。20気圧防水。

モデルの詳細はコチラ>>>

MTG-B3000/スペック一覧
●トリプルGレジスト(耐衝撃構造・耐遠心重力性能・耐振動構造)
●カーボンコアガード構造
●ねじロック式リューズ
●タフソーラー(ソーラー充電システム)
●マルチバンド6(電波時計/日本・北米・ヨーロッパ・中国地域対応)
●モバイルリンク機能(スマートフォンアプリ「CASIO WATCHES」対応)
●針位置自動補正機能
●デュアルタイム
●ストップウオッチ
●タイマー
●時刻アラーム
●パワーセービング機能
●日付・曜日表示
●フルオートカレンダー
●ホワイトLEDライト(スーパーイルミネーター、残照機能付き)
●ネオブライト

 

問い合わせ先:カシオ計算機 お客様相談室 TEL:0120-088925 https://www.casio.com/jp/watches/gshock/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。

Text:山口祐也/Yuya Yamaguchi(WATCHNAVI) Photo:吉江正倫/Masanori Yoshie

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