時計にタフネスという新たな概念を築き上げた【G-SHOCK】は、搭載機能だけでなく外装素材の開発によっても進化してきた。つねに時代を先取りし、デビュー35周年の2018年には高級感のある「GMW-B5000」を発表し、初代から続くスクエアフォルム初のフルメタル化を実現。その系譜を継ぎ、今回は国内だけでなく海外でもヒットを続ける2100シリーズがベースのフルメタルモデル「GM-B2100」がリリースされることとなった。
オリジンのDNAを継ぐ八角形G-SHOCKが待望のフルメタル化
G-SHOCKでもっとも有名なスクエアベゼルを発展させた八角形ベゼル、立体的で力強いアナログ表示、装着性に優れるスリムなケースが特徴の2100シリーズは2019年にデビューし、瞬く間に人気コレクションへと成長した。そのユニークなフォルムは、現在の時計界を牽引しているラグジュアリースポーツウオッチに通じるものがあり、世界中で支持されている。新作「GM-B2100」はこの大ヒットモデルのフルメタルバージョンとのことで、注目が集まらないはずがない。系譜をたどると、次のようになる。
1983年デビュー【DW-5000C】オリジン
記念すべきファーストモデル=オリジンは、“落としても壊れない時計”というカシオ技術者・伊部菊雄氏のアイデアにより発明。およそ2年をかけて製品化された。四角いベゼルがそのネーミングは、自由落下=重力(GRAVITY)に由来する。
2019年デビュー【GA-2100】
オクタゴンフォルムのベゼルを備え、厚さわずか11.8mmを形成するアナログ・デジタルの樹脂製モデル。ケース内部にカーボンコアガード構造を採用することで、G-SHOCKに求められるショックレジストのレベルをクリアした。
2020年デビュー【GM-2100】
強度や耐久性に優れ、高級感の演出にも適するステンレススチール製のベゼルを備えたメタルカバードモデル。こちらも破損・変形に強いガラス繊維強化樹脂製のインナーケース(カーボンコアガード構造)を採用し、耐衝撃構造を実現した。
2021年デビュー【GA-B2100】
基板配置を最適化し、スマートフォンリンク&タフソーラーを備える薄型モジュールを搭載。厚みを11.9mmに留める。Bluetoothを使った自動時刻修正のほか、スマホ側でワールドタイムの設定などができるアプリ「CASIO WATCHES」に対応。
2022年デビュー【GM-B2100】
GMW-B5000やAWM-500の製造技術を用い、2100シリーズをオールステンレス外装で実現。職人の手作業による仕上げ研磨から生まれる高級感、ファインレジン製の耐衝撃用パーツの実装、Bluetoothを使ったスマホ連携機能など、最先端のテクノロジーが投入されている。
フルメタルGM-B2100の魅力を3つのポイントから掘り下げる
POINT ①【サイズ】フルメタルコレクション最薄のボディ
上から、新作のGM-B2100D-1AJF、スクエアのGMW-B5000D-1JF(6万6000円)、アナデジのAWM-500D-1AJF(6万6000円)。ブレスレットのひとコマ目とそれに連なるケース形状、ベゼルの高さ、スクリューバックの厚みなど、それぞれに個性を持つ
≪3つのフルメタルG-SHOCKの比較≫
<新作> GM-B2100 |
<スクエア> GMW-B5000 |
<アナデジ> AWM-500 |
|
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横(3時 – 9時位置) | 44.4mm | 43.2mm | 44.5mm |
縦(12時 – 6時位置) | 49.8mm | 49.3mm | 51.8mm |
厚さ | 12.8mm | 13.0mm | 14.2mm |
重さ | 165g | 167g | 175g |
搭載機能 | ●タフソーラー ●Bluetooth |
●タフソーラー ●マルチバンド6 ●Bluetooth |
●タフソーラー ●マルチバンド6 |
近年、メンズウオッチは小型化・スリム化が主流となっており、G-SHOCKにもその波は押し寄せている。このトレンドがスタイリッシュな2100シリーズ誕生のきっかけになったともいえるだろう。フルメタルの最新作「GM-B2100D-1AJF」では、ラインナップ中もっとも薄く、軽量な設計となっている。弱点らしい弱点はないものの、強いて言えば標準電波受信機能(マルチバンド6)が非搭載な点。しかしこれはスマホリンクで十分カバーできる。
POINT ②【高級感】外装を2つの微細加工技術で仕上げ分け
MR-GやMT-GといったG-SHOCKのハイラインから、オシアナスの高級機までを製造するカシオのプレミアムウオッチファクトリー「山形カシオ」にて、GM-B2100も製造されている。とくにメタルパーツの質感へのこだわりは凄まじく、山形カシオの精密金型技術を駆使し、複数形状の成型と緻密な表面加工で仕上げられている。ベゼル表面とサイド、そしてバンドはヘアラインを中心に、ベゼルから下がったケース部をミラーで仕上げることで光の陰影をつくり、メタルだからこそ得られるクラス感を成立させた。
POINT ③【構造】薄型&金属ながらに耐衝撃性を適えるノウハウ
デジタル式のGMW-B5000とアナデジ式のAWM-500という、両フルメタルモデルを実用化したカシオには、金属パーツを纏うG-SHOCKでも高次元の耐衝撃性を可能とする技術的知見がある。ベゼル(ステンレススチール)とミドルケース(ステンレススチール)の間に、ショック吸収効果のあるファインレジン製緩衝パーツを実装。高密度実装技術で構築された繊細なモジュールを衝撃から守る。また、ウィークポイントとなりやすいバンドとの接合部を3本足とし、頑強なパイプで繋ぐことで衝撃の分散と耐性を向上させている。
待ち望まれたオクタゴンG-SHOCKのフルメタルが登場し、選択肢が広がった
これまでに培われたあらゆるカシオの技術を持ち寄り、完成したGM-B2100。その存在は、オリジンのデビューから間もなく40周年を迎えるにあたり、世界各地で愛されるグローバルなG-SHOCKとして相応しいクオリティを有する。搭載する機能やダイアルの表情は程よくシンプルにまとめられている一方、メタル外装は鍛造成型で力強い立体フォルムを形成し、巧みの研磨加工で上質な外観を生み出した。
今回、よりシックな雰囲気でTPOを選ばないブラックIPモデル(GM-B2100BD-1AJF/8万300円)と、ワンランク上のラグジュアリーを演出するローズゴールドIPモデル(GM-B2100GD-5AJF/8万300円)もラインナップ。ステンレススチールの質感をそのまま生かしたGM-B2100D-1AJFを含めて、G-SHOCKの新時代到来を予感させる。いまもっとも勢いのあるフルメタルG-SHOCKを通して見れば、機能、デザイン、カラーで選択の幅を広げたことは喜ばしい限りだ。
モデルの詳細はコチラ>>>
GM-B2100/スペック一覧
●耐衝撃構造(ショックレジスト)
●タフソーラー(ソーラー充電システム)
●モバイルリンク機能(対応携帯電話とのBluetooth通信による機能連動)
●アプリ「CASIO WATCHES」対応
●ワールドタイム
●ストップウオッチ
●タイマー
●アラーム/時報
●操作音ON/OFF切替機能
●パワーセービング機能
●バッテリーインジケーター表示
●針退避機能
●12/24時間制表示切替
●フルオートカレンダー
●日付表示(月/日表示入替)
●曜日表示(英・西・仏・独・伊・露の6ヵ国語切替)
●ダブルLEDライト(ホワイト色、スーパーイルミネーター、残照機能付き)
●ネオブライト
問い合わせ先:カシオ計算機 お客様相談室 TEL.03-5334-4869 https://www.casio.com/jp/watches/gshock/
Text/山口祐也(WN編集部) Photo/吉江正倫