ロレックス好きで知られる2大スターが共演!! そこで“サブ”を着用
『栄光のル・マン』から3年後。1974年公開の『タワーリング・インフェルノ』では、マックイーンの腕にロレックスの人気モデルを見ることができる。この映画で彼は消防隊長のマイケル・オハラハンを演じており、火災現場という修羅場を耐え抜くためのツールとしてダイバーズのサブマリーナー(Ref.5512)を着用していた。彼はロレックスの愛好家としても知られており、長年連れ添った仕事仲間のスタントマンにも同じ“サブ”のRef.5513を贈るなど、逸話が語り継がれている。
ちなみにこの映画はマックイーンとポール・ニューマンのW主演であり、それだけでもかなりの超大作とわかる。冒頭に流れる出演者テロップには、両者の名前が同時に表示されるという当時ではめずらしいシーンも話題になった。一種のライバル関係を示すエピソードだが、彼らの共通点のひとつがロレックスをこよなく愛していたこと。マックイーンはサブマリーナーを、ポール・ニューマンはクロノグラフのデイトナを着けている姿が確認されている。
ダイバーズウオッチのベンチマークたる普遍的な存在のサブマリーナーは、ダイビングスケール付きの回転ベゼル、ねじ込み式のリューズとケースバック、海中でも高い視認性を発揮するブラックダイアルなど、大きな水圧に耐える屈強なオイスターケースに潜水のための様々な機能を備えている。とりわけRef.5512は、初めてリューズガードを搭載した名機であり、発売後20年間のロングセラーを誇った。
スティーブ・マックイーン独自のスタイルとは、若かりし日に培った不屈の反骨精神。そのバックボーンによって時代のヒーローになった彼に選ばれた「モナコ」と「サブマリーナー」は、一見似つかぬようだがどちらも長きにわたって原初の魅力をそのままに、現行モデルへと至る進化を継続している点で類似している。取りも直さず、それは本物を見抜き、愛することにも繋がる。映画の歴史の偉大な節目は、“本物の時計”の存在も示唆してくれるのだ。
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