生誕90年、没後40年に振り返る伝説のスター“スティーブ・マックイーン”と腕時計の物語――タグ・ホイヤー&ロレックス

ロレックス好きで知られる2大スターが共演!! そこで“サブ”を着用

『栄光のル・マン』から3年後。1974年公開の『タワーリング・インフェルノ』では、マックイーンの腕にロレックスの人気モデルを見ることができる。この映画で彼は消防隊長のマイケル・オハラハンを演じており、火災現場という修羅場を耐え抜くためのツールとしてダイバーズのサブマリーナー(Ref.5512)を着用していた。彼はロレックスの愛好家としても知られており、長年連れ添った仕事仲間のスタントマンにも同じ“サブ”のRef.5513を贈るなど、逸話が語り継がれている。

ちなみにこの映画はマックイーンとポール・ニューマンのW主演であり、それだけでもかなりの超大作とわかる。冒頭に流れる出演者テロップには、両者の名前が同時に表示されるという当時ではめずらしいシーンも話題になった。一種のライバル関係を示すエピソードだが、彼らの共通点のひとつがロレックスをこよなく愛していたこと。マックイーンはサブマリーナーを、ポール・ニューマンはクロノグラフのデイトナを着けている姿が確認されている。

サブマリーナー Ref.5512は、1959年に登場

ダイバーズウオッチのベンチマークたる普遍的な存在のサブマリーナーは、ダイビングスケール付きの回転ベゼル、ねじ込み式のリューズとケースバック、海中でも高い視認性を発揮するブラックダイアルなど、大きな水圧に耐える屈強なオイスターケースに潜水のための様々な機能を備えている。とりわけRef.5512は、初めてリューズガードを搭載した名機であり、発売後20年間のロングセラーを誇った。

【現行モデル】「ロレックス オイスターパーペチュアル サブマリーナー」Ref.114060 83万2700円/自動巻き(自社製Cal.3130)、毎時2万8800振動、約48時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット。直径40mm。300m防水
Photofest/アフロ

スティーブ・マックイーン独自のスタイルとは、若かりし日に培った不屈の反骨精神。そのバックボーンによって時代のヒーローになった彼に選ばれた「モナコ」と「サブマリーナー」は、一見似つかぬようだがどちらも長きにわたって原初の魅力をそのままに、現行モデルへと至る進化を継続している点で類似している。取りも直さず、それは本物を見抜き、愛することにも繋がる。映画の歴史の偉大な節目は、“本物の時計”の存在も示唆してくれるのだ。

 

【BS10 スターチャンネル】「史上初!生誕90年スティーヴ・マックイーン完全網羅」
5月は【キャリア初期・貴重な作品】、6月は【別の顔】などテーマごとに出演作品を放送中。
詳しくは特集ウェブサイト(https://www.star-ch.jp/mcqueen/)

 

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