人気ブランドの理解が10倍深まる最新&主力ムーブメント徹底ガイド【カルティエ】

2023/6/5 6:30
SHARE ON

ケースやダイアルのデザイン・素材など、時計の魅力を決定する要素は数多く存在するが、時計ファンならその心臓部であるムーブメントに注目したいもの。そこで、本特集では人気ブランドについて、[ムーブメント概要=全体像][基幹=主力ムーブメント][最新&注目のムーブメント]について詳細を解説。時計内部の知識が深まれば時計の真価もさらに理解できるはず。今回はカルティエをピックアップ!

 

カルティエ(CARTIER)

歴史に残る銘品コレクションを多種多彩に展開する

世界初の紳士用腕時計「サントス」(1904年)やメゾンを代表する人気コレクションの「タンク」(1917年)など、1世紀以上にわたり時計界に新機軸を創出し続ける名門。今年発表された「マス ミステリユーズ」は大きな話題を呼んでいるが、実はこの分野でも同メゾンが先駆者的存在で、1912年に製作したクリスタルの直方体の中に時・分針が浮かぶ、「モデルA」という作品がその原点となっている。

 

基幹ムーブメント

Vincent Wulveryck © Cartier

Cal.1847 MC

メゾン カルティエの時計職人によって設計・製造されたメカニカル自動巻きムーブメント。耐磁性を高めるため脱進機構には非磁性パーツを採用し、ケースには常磁性合金で作られたシールドが組み込まれているのが特徴だ。各機構の完成度が高く、厚さわずか3.8㎜とスリムなため適用範囲も広く、ラウンド型モデルはもちろん、スクエア型やレクタンギュラー型モデルなどにも幅広く採用されている。ちなみに、ムーブ名の1847は同メゾンの創業年に由来している。パワーリザーブ約42時間。

 

Vincent Wulveryck © Cartier

Cal.1917 MC

同メゾンが「タンク」を発表した記念すべき年にオマージュを捧げる、自社製手巻きムーブメント。メゾンが創出する優雅なケースシェイプに適合するよう、幅12.95㎜×高さ16.0㎜、厚さ2.9㎜のトノー型に設計された小型ムーブメントで、「タンク ルイカルティエ」を筆頭に「べニュワール」や「トノー」などの各コレクションに採用。右のCal.1847 MCと同様、非磁性パーツの脱進機構や常磁性合金のシールドを搭載している。パワーリザーブ約38時間。

 

注目の最新ムーブメント

Olivier Arnaud © Cartier

Cal.9801 MC

スケルトン仕様の自動巻きローター(着用者の腕の動きに応じて、自在に時計回りや反時計回りに回転する)内に、メカニカルムーブメントのゼンマイや調速・脱進機構、輪列などを収納。センター軸に固定され、宙に浮いているかのように見える時・分針で時刻を表示するミステリーウオッチ。このジャンルのパイオニアである同メゾンが、8年の歳月をかけて開発した。パワーリザーブ約42時間。

 

搭載モデル

「マス ミステリユーズ」Ref.CRWHRO0078 30万5000ドル(参考価格) 自動巻き(Cal.9801 MC)、毎時2万8800振動、42時間パワーリザーブ。プラチナケース。直径43.5mm、厚さ12.647mm。アリゲーターストラップ。3気圧防水。世界限定30本 Olivier Arnaud © Cartier

問い合わせ先:カルティエ カスタマー サービスセンター TEL.0120-301-757
https://www.cartier.com/

◎本記事は『ウオッチナビ 2022 Summer Vol.86』より抜粋・編集しています。

TAG

人気のタグ