米国の時計技師でエンジニアでもあったフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズが1868年に設立以来、ドイツ国境に近いスイスの古都・シャフハウゼンを拠点にする【IWCシャフハウゼン】がパイロット・ウォッチの新作を発表した。「パイロット・ウォッチ・オートマティック 41・ブラック・エイセス」は、8月28日よりオンライン限定販売がスタートする。価格は94万6000円。
独自の工程により新たな文字盤は高耐久性と優れた耐磁性能を両立
米国海軍第41戦闘攻撃飛行隊(VFA-41、別名「ブラック・エイセス」)の隊員のために開発された新作パイロット・ウォッチは、スーパールミノバを文字盤全面に採用したホワイト文字盤が最大の特徴。普段から光を蓄えた文字盤は暗所でグリーンへの発光体へと変化し、暗所でも飛行士に適切な視認性をもたらすのである。この文字盤は、グレードの高いスーパールミノバを結合剤と混ぜて円形の鋳型に流し込み、特別に開発された工程により硬化させることでセラミックのような耐久性を得ているという。このソリッドディスクを軟鉄製の文字盤ブランク材に固定し、最後にブラックのインデックスと数字、そしてトランプのスペードのエースに似た「ブラック・エイセス」の記章をプリント。特有の耐磁性能はそのまま、これまでにないデザインに仕上げた。IWCのリリースによれば、この文字盤は暗室試験で23時間以上にもわたって鮮やかな緑色の光を放っていたという。
ケースにはブラックの酸化ジルコニウム・セラミックを採用。ダイヤモンドに次ぐビッカース硬度を誇り、ジェット機のコックピットのような限られた空間でのハードユーズにも十分に耐える。これをマットブラックに仕上げることで光の反射を防ぎ、「正確な時間」という最も必要な情報のみを操縦中のパイロットに提供するのだ。こうした仕様はブラック・エイセス協力のもとで開発されており、その信頼の証としてチタン製の裏蓋にブラック・エイセスに配備されている双発ジェット機「F/A-18F」のエングレービングが施されている。
搭載ムーブメントは、ベースモデルとなったパイロット・ウォッチ・オートマティック・トップガンから日付表示を取り除いたキャリバー32100を搭載。軟鉄製インナーケースに加えて耐磁性シリコン脱進機も採用されているため、かなり特殊な環境でもなければ磁気帯びの心配はほぼ皆無に等しいだろう。パワーリザーブは72時間を確保。高効率な独自の双方向爪巻き上げ機構により適切な巻き上げ残量を維持し、安定したトルクで高精度を維持する。
85年以上にわたって航空腕時計を開発し続けてきたIWCは現在、米国海軍とのパートナーシップを結んでおり、そうした信頼関係から「パイロット・ウォッチ・オートマティック 41・ブラック・エイセス」も開発されたのである。軍用由来の圧倒的な信頼性を誇るIWC「パイロット・ウォッチ」の新機軸。ちなみに、裏蓋に刻まれた機体「F/A-18」には、「スーパーホーネット」という愛称がある。となれば、腕に着ければあの大ヒット映画の世界観も本機で味わえるかもしれない。
問い合わせ先:IWCシャフハウゼン TEL.0120-05-1868 https://www.iwc.com/jp/ja/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。
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