高級感をグッと上げるメタルベゼルの作りが凄い【防塵・防泥G-SHOCK マッドマスター】にBluetooth搭載のコンパクトモデルが登場

2023年、デビューから40周年を迎えた【G-SHOCK】。世界的なビッグブランドへと上り詰めた栄光を称え、まさにアニバーサリーイヤーに相応しい新作がこの10月にリリースされることとなった。G-SHOCKの象徴的な機能のひとつ「マッドレジスト」の最新仕様を備える新「マッドマスター」について、デザインから機能まで掘り下げて解説する。

複雑かつ質感の高いメタルパーツでアップデート

まず、G-SHOCKにおける「マッドマスター」のポジションについて触れておきたい。特殊機能を持つプロフェッショナル仕様を追求するMASTER OF Gシリーズにおいて、陸の最強G-SHOCKとされるのが「マッドマスター」だ。同じく「マッドレジスト」(泥や塵などのケース内部への侵入を防ぐガード機構)を纏う「マッドマン」はデジタル表示のみである一方、「マッドマスター」はアナログ&デジタル表示のためより技術面の難易度が高く、時計好きを中心に高い評価を得ている。

 

新「マッドマスター」の3つのキーポイント

10月13日に発売開始された「マッドマスター」の最新作「GWG-B1000」は、シリーズとして第3世代にあたる。これまでも「マッドレジスト」は当然のこと、トリプルセンサーの搭載や装着性の向上が計られてきたわけだが、「GWG-B1000」は過去最大のアップデートがなされている。それらを3つのキーポイントから考察していこう。

 

「マッドレジスト」+耐振動構造 

先代「GWG-2000」でも見られた四隅のビスや丸型フロントボタンといった「マッドマスター」の基本スタイルを踏襲しつつ、発展させているのが最新作の特徴である。たとえば、ボタンはシリンダー型のステンレスパーツで保護されており、ボタンシャフトにガスケットを装備。モジュールの底面と側面にはシリコンを主原料とする衝撃吸収材「αGEL」を組み込み、針時計の信頼度を上げる耐振動性も十分確保している。なおリューズは、「マッドレジスト」機能や防水性能を高めるねじロック式となっている。


↑「GWG-B1000」のケース分解写真。オレンジ色のパーツが緩衝体だ

 

メタルパーツを駆使したダウンサイジング

筆者の初見は、ベゼルのほかベゼルガード上下やフロントボタンガードにメタルパーツが使われており、質感が高まったという印象。DLCコーティングを含む仕上げの良さにより、「マッドマスター」は新たな魅力を獲得した。そしてメタルパーツの使用は質感アップの狙い以外にも小型化、耐摩耗性や耐久性を上げるためにも不可欠だったという。また、メタルベゼルを左右から挟むように設置されたガードはカーボンファイバー強化樹脂製で、この異素材の組み合わせがワンランク上のラグジュアリースポーツウオッチを彷彿とさせる。


↑左の新作「GWG-B1000」のケースサイズは、縦58.7×横52.1mm、厚さ16.2mm。右の先代「GWG-2000」は、縦61.2×横54.4mm、厚さ16.1mm。腕馴染みの良いサイズを実現している。メタルパーツを多く使っていることもわかる


↑下が新作「GWG-B1000」で、厚さ16.2mm。上が先代「GWG-2000」で、厚さ16.1mm。多機能化しながら時計の容積を抑えた

 

Bluetoothシリーズ初搭載による利便性

本機は「タフソーラーを搭載したマッドマスター」で初めてのBluetoothモデルとなっており、専用アプリケーション「CASIO WATCHES」をインストールしたスマートフォンとの連携を実現している。これにより、スマホ側でアラームやタイマー、針位置補正、ワールドタイムなどの設定、時計側から高度データの転送や携帯電話探索が可能になった。時計単体では起動しにくかった機能を活用しやすくなったわけだ。もちろんスタンドアローン状態でも機能を多くを操れる。さらには、スマホのGPSを利用した高度の自動補正や、アプリで記録や設定した地点の方角を3時位置のサブダイアル針が指し示す「ロケーションインジケーター」も備えている。


↑「ロケーションインジケーター」は登山やハイキングといったアウトドアシーンで活躍するほか、大きな駐車場で停車した車を探し出す際になどにも便利

 

野外だけでなくタウンユースの一本としても選ばれる

新たな「マッドレジスト」、メタルパーツの多用、Bluetooth初搭載など、見どころの多い「GWG-B1000」は、従来から「マッドマスター」に求められてきたアウトドアウオッチとしての役目は語るまでもなく、街へ繰り出す休日ファッションにもマッチするアナログ時計と表現できる。さらには、スマホとの連携のしやすさから海外へと赴く際のトラベルウオッチとしても役立つはずだ。これほどの魅力を備える理由は、これまでカシオが培ってきた技術の賜物。まさに“神は細部に宿る”を体現している。

 

新「マッドマスター」に使われている独自技術

G-SHOCKらしいタフな造形を巧みに再現したメタルガードパーツは、精密かつ複雑な複数のパーツを組み合わせてできている。とくにベゼル部は、一枚のステンレススチール板を切削鍛造加工し、ベゼル状に成形。さらにガード部のみを削り出している。写真の通り7工程を経て上下パーツが作られているのだ。なおフロントボタンガードは、粉末状の金属を射出成形するMIM(メタルインジェクションモールディング)成形が使われている。

 

ファンクション表示のあるザラザラした質感のサイドベゼルは、バイオマスを使用したカーボンファイバー強化樹脂。これとは対称的に、ヘアラインで美しく仕上げられているのがメタルガードパーツで、DLC加工を用いてデザイン性と耐傷性を同時に向上させている。両パーツは突き出した形状を成しており、サファイアガラスの傷つきやケース内部への衝撃を緩和させる。

 

ケースとバンドの接合部、肌に当たる部分に樹脂製のバンドパーツがセットされている。これが可動して腕へのフィット感が高まる仕組みになっている。このパーツもコンパクトに作られており、わずかな傾斜をつけて多角形としたステンレススチール製ケースバックと相まって優れた装着感に貢献している。

 

瓦礫や土砂などのハードな環境を想定して作られた“陸の覇者”の最新作は、荒野を走破するオーバーランダースタイルからヒントを得た屈強なスタイルである一方、隅々までこだわりが貫かれている。この隠れたディテールこそ、MASTER OF Gに課せられる究極の実用性とも言える。ソーラー駆動ながら、正確な時刻表示を実現する標準電波受信、多機能をスマホで操るBluetooth通信、そして野外活動に便利なトリプルセンサー(方位、高度/気圧、温度計測)と機能を満載。時計としての判読性も求め、大きな文字盤にはアルミニウムで強度と軽量化を両立した蓄光付きの太い時分針と、積層カーボンの使用で薄く、軽く、そしてたわみに強い秒針もセット。まさにアナログ時計最強を目指す「マッドマスター」の理想形が、「GWG-B1000」によって具現化されたのだ。

 


G-SHOCK「GWG-B1000-1AJF」 12万1000円/クオーツ(Bluetooth搭載電波ソーラー)。ステンレススチール+カーボン強化樹脂+バイオマスプラスチックケース、バイオマスプラスチックバンド。縦58.7×横52.1mm、厚さ16.2mm、重量114g。20気圧防水。

 


G-SHOCK「GWG-B1000-3AJF」 12万1000円/クオーツ(Bluetooth搭載電波ソーラー)。ステンレススチール+カーボン強化樹脂+バイオマスプラスチックケース、バイオマスプラスチックバンド。縦58.7×横52.1mm、厚さ16.2mm、重量114g。20気圧防水。

 


G-SHOCK「GWG-B1000-1A4JF」 12万1000円/クオーツ(Bluetooth搭載電波ソーラー)。ステンレススチール+カーボン強化樹脂+バイオマスプラスチックケース、バイオマスプラスチックバンド。縦58.7×横52.1mm、厚さ16.2mm、重量114g。20気圧防水。

 

モデルの詳細はコチラ>>>

問い合わせ先:カシオ計算機 お客様相談室 TEL.0120-088925 https://gshock.casio.com/jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。

Text/山口祐也(WATCHNAVI) Photo/高橋敬大(TRS) Styling/仲唐英俊

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