デビュー5周年を見据えた新たな布石!?【CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ】に新サイズ38mmモデルが登場

1875年創業の【オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)】は、スイスで唯一、創業者一族の家系によって継がれている最古の時計ブランドとして知られる。そのような由緒ある歴史に即しながらも、まったく新しいスタイルで誕生した次世代定番コレクション「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」に、今回スモールサイズが追加された。独創デザインはそのままにエレガントさを増した新作は必見だ。

再び新たな価値を提示した革新機に小径モデルが堂々加入

ラグジュアリースポーツウオッチの金字塔「ロイヤル オーク」を筆頭に、オーデマ ピゲは常識を打ち破る時計開発をいくつも行ってきた。そうした同社の歴史の最先端にあるのが、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」である。2019年のデビュー間もなく、この新コレクションに対してSNSでは賛否両論が巻き起こった。正面向きの写真を見ただけのユーザーは、「オーデマ ピゲが、なぜ今さらシンプルな3針時計を手がけるのか」など、疑問の声もあった。だが筆者は、オーデマ ピゲが最後に出展したSIHHの会場で披露した実機を見た瞬間の衝撃を、今も鮮明に覚えている。高度な技術力に裏打ちされた緻密な設計。ひと目見ただけでSNSでのあらゆる発言はほぼすべて的外れだと確信した。

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲは手の込んだ3ピースケースの構造を採用し、ミドルケースは8角形にカット。それぞれの外装は面取りに至るまで徹底的に仕上げられていた。ダブルカーブを持つサファイアクリスタルは文字盤に無限とも思える奥行き感をもたらし、腕に載せれば直径41mmのゴールド製ウオッチとは思えないほど手首にフィットする。薄さを追求することなくエレガントさを表現すると同時に、力強い外装はスポーティな雰囲気を醸し出す。正直、この時計を既存のジャンルに当てはめることができなかった。そしてこれは、誕生から4年経った現在もなお当てはめることができていない。これぞまさにオーデマ ピゲが提示した「次世代の腕時計」なのだ。

今やカラバリはもちろん、3針から複雑系までの機構、ゴールドやステンレススチールの素材違いなど、CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲは早くも一大コレクションとなったが、一方で足りない選択肢もあった。それが「小径のサイズ」だ。直径38mmの最新作は、まさに待望の加入。実際、待ち望んでいた人は多いだろう。

この新サイズは、18Kピンクゴールドのケースにパープル、またはアイボリーのダイアルという2種類が揃う。それぞれに文字盤と色を揃えたパーリーな質感のアリゲーターストラップが付属。ステッチのないスムースタイプで、ドレッシーな装いだ。もちろんストラップを変えれば自分好みに印象は変えられる。これまでサイズ感で手をこまねいていた人は、次からの細部検証を参考にしてほしい。

 

ダウンサイジングしたNewバリエーションのディテール徹底チェック

あらゆる角度で際立った個性を見せるCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲを多角検証。小径化しても徹底した細部の造形に抜かりなし!


↑「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」 Ref.77410OR.OO.A623CR.01 440万円

 

1. バックル

↑一部を除く既存機と同じくピンバックルを採用。ケースと同素材を用いた堅牢デザインは、ヘアライン仕上げと鏡面の面取りに高級感が漂う

 

2. 12時側

↑ステンレススチールモデルで初採用された放射と同心円という2種類の異なる広がりのパターンが、文字盤の立体感を増幅。アプライドロゴの存在感も抜群

 

3. リューズ側

↑八角形ミドルケースの上下にポリッシュの面取りを施す。リューズが引き出しやすいよう裏蓋ブタ側をカットする配慮は既存機と共通だ

 

4. ケースバック

↑37mmの最新ロイヤル オーク オートマティックにも搭載される最新の自社製Cal.5900の動きが確認可能。ケースバックは5点のネジ留めとなる

 

5. 6時側

↑時計の特徴であるダブルカーブ風防を38mmにもセット。ラグ一体型のベゼルやミドルケースの絶妙なカーブに雲上ブランドの矜持が伝わる

 

6. 9時側

↑3ピースケースの構造がわかりやすいサイドビュー。裏ブタとラグの間にあるごくわずかな隙間は、複雑な造形を成立させるための工夫だ

 

誕生5周年を前に話題充実今後ますます入手困難に!?

オーデマ ピゲのように完璧を追求し続けるブランドの場合、サイズの変更は新しい時計を作るようなもの。3ピースケースを再設計するだけでも十分な時間をかけて行う必要があるのは、上の写真からも伝わるだろう。

外装面における違いは文字盤にもあり、直径38mmの日付表示の横に短いアプライドインデックスが追加された。最近は日付表示の無い文字盤を好む声も多いが、普段使いを念頭に置いた時計にはやはり欠かせない要素なのだ。

また、小径化に伴い既存の直径41mm・3針モデルが積んでいた4302から5900へと搭載キャリバーも変更。外径が26.185mmと約6mm小さく、厚みも3.9mmと1mmスリムなキャリバー5900が、今回の小径化に不可欠だったことは想像に難くない。ちなみに総部品数は約70個減り、パワーリザーブは約60時間になっている。

この直径38mmモデルほか、2023年のCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲは話題作が満載だった。そして2024年に迎える誕生5周年の節目。この勢いを考慮すれば、今以上の入手困難モデルになる日は、そう遠くないだろう。

 

オーデマ ピゲ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」 Ref.77410OR.OO.A623CR.01 440万円

独創的な3ピース構造ケースはそのままに、一気に3mmのダウンサイジングした最新作。自社製造のキャリバー5900を搭載し、厚みも約1mmスリムになった。文字盤は既存のステンレススチールモデルと同様の立体的な型打ちパターンを採用。

スペック:自動巻き(自社製Cal.5900)、毎時2万8800振動、60時間パワーリザーブ。18Kピンクゴールドケース(シースルーバック)、パールパープルアリゲーターストラップ。直径38mm。30m防水。

 


オーデマ ピゲ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック」 Ref.15210QT.OO.A064KB.01 368万5000円

2023年春にデビューしたマニュファクチュールムーブメント、キャリバー4302を搭載するステンレススチール仕様の3針モデル。ミドルケースにブラックセラミックを用いてスポーティな雰囲気を強めた。

スペック:自動巻き(自社製Cal.4302)、毎時2万8800振動、70時間パワーリザーブ。ステンレススチール+ブラックセラミックケース(シースルーバック)、ベージュラバー加工のストラップ。直径41mm。30m防水。

 

問い合わせ先:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0000
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※価格は記事公開時点の税込価格です。

Text/水藤大輔(WATCHNAVI) Photo/高橋敬大(TRS) Styling/石川英治(TableRockStudio)

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