【ブレゲ(BREGUET)】が18世紀の海洋クロノメーターの精神を継承する「マリーン」コレクションの最新作を発表。文字盤のレイアウト刷新と創業250周年を記念する手彫りギヨシェ“ケ・ド・ロルロージュ”を採用した3針モデルとクロノグラフの魅力を紐解く。
創業250周年を祝うケ・ド・ロルロージュ
1775年にアブラアン-ルイ・ブレゲがパリのシテ島で創業したブレゲは、トゥールビヨンをはじめとする革新的な機構や手彫りギヨシェなどの装飾技法により、時計史に不滅の足跡を刻んできた。その偉大な足跡と“海”との絆を現代に継ぐ象徴が「マリーン」コレクションである。そのルーツは、18世紀末からブレゲが手掛け、1815年にルイ18世から「フランス王立海軍御用時計師」の称号を授かる契機となった高精度なマリーン・クロノメーターに遡る。かつてブーゲンヴィルやデュモン・デュルヴィルといった偉大な航海者たちの過酷な世界一周航海や極地探検を支えた海洋計器の確かな遺伝子は、現代のラグジュアリー・スポーツウオッチへと確かに息づいているのだ。今回登場した「マリーン 5517」と「マリーン クロノグラフ 5527」は、伝統の海洋スピリットを継承しながら、ダイアルデザインとレイアウトを大胆に刷新した注目作となっている。
本コレクション最大の見どころは、メゾン創業250周年を記念して考案された手彫りギヨシェ装飾「ケ・ド・ロルロージュ」である。この名称は、ブレゲが工房を構えたシテ島の歴史的な所在地に由来。職人がゴールド製の地板に彫り分け、繊細なカラーリングと透明感あふれるラッカー塗装を重ねたダイアルには、シテ島とサン=ルイ島の都市の輪郭、そして穏やかな水面の波動というふたつの意匠が巧みに融合している。
国際信号旗を模したカウンターウェイト
それぞれのモデルの特徴を追うと、まず3針仕様の「マリーン 5517」は、レイアウトの変更によって幾何学的な美しさが一層際立った印象だ。日付け表示を6時位置へと移し、12時位置に立体的なゴールド製のアプライド・ブレゲロゴを配したことで、文字盤中央に美しいシンメトリーを創出。伝統のブレゲ数字やアップル型のブレゲ針を守りつつ、秒針のカウンターウェイトには国際信号旗の「ブラボー(B)」を模した意匠を採用する。さらに波モチーフのリューズガードや、サファイアケースバック越しに覗く船の舵をイメージしたゴールド製ローターまで、海を想起させるディテールを随所にあしらっている。ケースは40mm径で、18Kホワイトゴールド、18Kローズゴールド、チタンの3種類をラインナップ。時計の心臓部には耐磁性に優れるシリコン製フラットひげゼンマイを備えた自動巻きムーブメント「キャリバー 777A」を搭載する。一方、フライバック機能を備えた「マリーン クロノグラフ 5527」は、一回り大きい42.3mm径のケースに、自動巻きムーブメント「キャリバー 582QA」を収める。3時位置の分積算計と9時位置のスモールセコンドによるアシンメトリーなダイアル構成ながら、「マリーン 5517」同様に6時位置へ日付け窓、12時位置へゴールドロゴを配して視認性と躍動感を巧みに両立した。
両モデルともに、ダイアルのギヨシェ模様と響き合うモチーフをあしらったラバーストラップ、またはケースと一体化する洗練されたメタルブレスレットを選択可能。本コレクションは過度な装飾に頼ることなく、手彫り技法が生み出すケ・ド・ロルロージュの繊細な光彩と、自然に溶け込ませた航海のディテールが美しく調和する。伝統的なメゾンの技法と現代的なスポーツテイストが高次元で融合した「マリーン」の誕生と言えるだろう。
ブレゲ「マリーン 5517」 Ref.5517TI/Y9/TZ0 382万8000円/自動巻き(Cal.777A)、毎時2万8800振動、55時間パワーリザーブ。チタンケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径40mm、厚さ11.5mm。10気圧防水。
ブレゲ「マリーン クロノグラフ 5527」 Ref.5527BR/Y9/5WV 757万9000円/自動巻き(Cal.582QA)、毎時2万8800振動、48時間パワーリザーブ。18Kローズゴールドケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。直径42.3mm、厚さ13.9mm。10気圧防水。
問い合わせ先:ブレゲ ブティック銀座 TEL.03-6254-7211 https://www.breguet.com/jp ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈
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