日本各地にある時計店を巡り、ショップの華である“看板娘”にインタビューする連載2回目は、初回に続いて岡山の正規店グループ、トミヤのメカミュージアムにお邪魔しました。スタッフの竹内理子さんは、ブライダルジュエリー専門店「ブライダルサロンウエスト」の店長も兼任するというキャリアウーマン。そんなスマートな彼女が選ぶ男性に着けてほしい時計やご自身のカルティエ、さらに年一度のTOMIYA創業祭（7月6日～8日）についても語っていただきました。
大学卒業後、トミヤコーポレーションに入社。時計とブライダルジュエリーの両方を担当し、2019年からはブライダルサロンウエストの店長に就任。人気時計を多数扱うメカミュージアムでも接客を担当する。入社初年度のTOMIYA創業祭で現在も愛用の「ベニュワール」を購入するなど、創業祭への思い入れが深いという
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「IWCのようなシンプルかつエレガントなデザインが好きです」
―― 時計とブライダル商品のどちらもご担当とのことですが、接客に関して違いや難しいことはありますか？
竹内さん：「ブライダルはご結婚やプロポーズが決まっている方がほとんどで、そのシーンに沿ったご提案がメインです。一方の時計はブランドの数も豊富で、ジャンルも複数存在します。しかも機能や素材なども様々。さらに時計好きの方は勉強熱心なので、お話についていくためにも覚えることは多いです。もちろん機械式時計のご購入が初めての方も多くいらっしゃるので、しっかりと魅力を伝えられるように努めています」
―― 男性がどんな時計を着けていたら、見惚れてしまいますか？
竹内さん：「シンプルで上品な時計が好み。仕事中も使うことを前提にスーツに合わせるなら、IWCは候補から外せません。若い方ならポートフィノの3針タイプを、ポストに就いている方ならポルトギーゼ・クロノグラフのレッドゴールドケースなど、極めてシンプルですが上質さが伝わってくる時計は、大人の女性の目に留まると思います。“仕事のできるビジネスマン”だったり、“本当の良品を知っている”というイメージも沸きやすいのではないでしょうか」
≪竹内さんのお薦め時計1≫
質実剛健なIWCのイメージを具現化したような、流行に左右されないピュアなラウンドフォルムのドレスウオッチ。ⅫとⅥのみローマ数字を用い、そのほかをバーで構成した潔いシルバーメッキダイアルに、スリムなリーフ型の長短針を備える。3時位置にカレンダー表示を搭載。アリゲーターストラップ。直径40mm(厚さ9.3mm)。3気圧防水。自動巻き
≪竹内さんのお薦め時計2≫
ブランドきってのロングセラーモデルとして君臨する、ドレスウオッチスタイルの自動巻きクロノグラフ。ラグジュアリーな18Kレッドゴールドケースと同色のアラビア数字を配したシルバーメッキダイアルに、縦目デザインで30分間積算計とスモールセコンドをレイアウト。アリゲーターストラップ。直径40.9mm(厚さ12.6mm)。3気圧防水
「自分で買ったことで時計の魅力を知ることができました」
―― そういった意味では、ご自身が着けているカルティエのベニュワールも美しくシンプルですね。
竹内さん：「個性的な縦のオーバル型ですが、ローマ数字と時分針だけというスッキリした見た目にビビッときて購入しました。トミヤに入社して間もない時期のTOMIYA創業祭で買った、初めての本格時計です。先輩社員に相談するなかで、カルティエやその他のブランドについても学んだことを覚えています。そういった意味でも特別な存在ですね」
―― ベニュワールを着用するようになって、時計に対する考え方は変わりましたか？
竹内さん：「当時まだまだ時計の知識が乏しかった私にとって、正直、カルティエは高嶺の花のような存在だと感じていました。ですが、本当に良いモノは身に着けることによってこそ、その使い勝手や存在感、幸福感みたいなものを感じられるのだなと知りました。それは実際に使ってみないとわからないこと。高額時計を初めて買うときは、誰でも勇気が要りますよね。そんなお客様には、個人的意見ですが私自身のエピソードをご紹介しています」
―― 竹内さんのように、“コレぞ”という時計に出くわすのは幸せなことですね。
竹内さん：「ブライダル商品ももちろんですが、私どもはお客様に長く愛用していただける時計を繋ぐプランナーのような立場でサポートしています。そういった意味でもTOMIYA創業祭は、高級時計をより身近に見て、触れていただくこともできるので、きっと良いきっかけとなるはずです。私もベニュワールと運命的な出会いを果たせましたし(笑)」
―― IWCの両モデルはスーツに合わせやすいデザインが特徴です。逆に、主張の強い時計はいかがでしょう？
竹内さん：「電車のつり革を掴んでいる腕元に一瞬見えただけでもモデル名が浮かぶ、誰でも知っている時計も魅力があると思います。若い方にも浸透しているパネライは、フォルムに個性があって好きです。それにルミノール ドゥエなら厚さがスリムなので着用しやすい。42mmモデルは女性でも着用している方がいらっしゃるので、奥様との兼用のご提案もできます」
≪竹内さんのお薦め時計3≫
パネライ史上もっとも薄く、タキシードにも似合う高貴なモデルとして2016年にデビューしたモダンコレクション。シースルーバックから眺められる自社製の手巻きムーブメント、キャリバーP.1000は、厚さ3.85mmながら3日間のロングパワーリザーブを実現する。シンボリックなリューズプロテクターも健在。チタンケース。直径42mm。3気圧防水
「自分の嗜好や価値までも、時計は表現してくれるもの」
―― より男性的なデザインの時計は、好みではない？
竹内さん：「そんなことはなく、ライフスタイルや趣味にマッチしている時計を着用している方は素敵だなと思います。例えばブライトリング。フラッグシップのナビタイマー 1でもベゼルにレッドゴールドを使ったバリエーションを選べば、グッとグレードが上がってユーザーの印象も変わります。このさり気ないワンポイントがオシャレで、レザーストラップとの組み合わせにセンスの良さを感じます。余裕のある方にチャレンジしていただきたいです。また見た目で注目を集めるなら、ゼニスのデファイ エル・プリメロ21はいかがでしょうか？ いかにもメカ好きという印象ですが、駆動している様子を直接的に見えるわかりやすいデザインなら、機械式の魅力を説明しやすいですよね。女性はゼンマイ式とクオーツの違いを知らない方も多いため、デファイを見せながら解説してあげれば親密さが増すきっかけになるかもしれません(笑)」
≪竹内さんのお薦め時計4≫
伝統的な“B”マークを授かった、2018年誕生のナビタイマー 1。歴代を通して装備されている航空用回転計算尺が付いた両方向回転式のベゼルに18Kレッドゴールドを用い、オールステンレスモデルとは異なる高級感を演出。インダイアルのコントラストが絶妙に美しいストラトスグレー文字盤。自社製キャリバー01を搭載する。シースルーバック。直径43mm。3気圧防水
≪竹内さんのお薦め時計5≫
オープンダイアルから覗くエル・プリメロ9004は、1秒で1回転するクロノグラフ用のセンター針を備え、0～100までの目盛りがあるインナーベゼルリングによって1/100秒まで計測できる。クロノ用と時刻用で脱進機を別々に搭載し、前者は毎時36万振動、後者は3万6000振動で駆動する。シースルーバック。チタンケース。直径44mm。10気圧防水
―― これから時計を購入しようと思っている人に、アドバイスをお願いします。
竹内さん：「モノの良し悪しというのは価格だけで推し量れるものではないのですが、価格以上に価値を持つ時計は存在しますし、時計は長い付き合いからも価値が生まれるものです。お客様にとって最良の逸品に出会っていただくためにも、ぜひ当店へのご来店や、TOMIYA創業祭へのご来場をお待ちしております」
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＜取材・撮影協力＞
トミヤ メカミュージアム
Tel：086-226-1038
住所：岡山県岡山市北区表町2-1-39
営業：11:00～19:30
定休日：無休
https://www.tomiya.co.jp/
取扱ブランド：ブライトリング、クストス、ガランテ、IWC、モンブラン、パネライ、ゼニス、ロジェ・デュブイなど
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