ビッグクラウン プロパイロットⅩ キャリバー115完成を機に振り返る。1904~2019 ORISプロダクトファーストの哲学

オリスは、現在、時計愛好家が密かに熱視線を送っているブランドだ。創業110周年を機に開発した自社キャリバー以降、快進撃を続けるオリス流の美学を最新作とともに紹介する。

実力派ブランドとして115年の歴史を重ねる

日本で長らく「機械式時計の入門」ブランドと、オリスは認識されていた。歴史あるブランドでありながら、魅力的な価格を維持できたのは、他社がプロモーション活動などに励むぶんの費用などを、常に高品質な時計作りに充ててきたからである。

オリスの創業は1904年。創業時に構えた工房の近くに流れる小川の名前に由来するブランド名を掲げた同社は、1911年までに従業員300人を超えるほどの急成長を遂げている。従業員の住環境まで整備していたオリスは、その働きやすさから優秀な人材が集まり、ブランドも順調に発展。大戦中にも時計製造を続け、困難な時代を生き抜き、魅力的な製品をいくつも手がけることで、1960年代後期には世界でも指折りの時計会社となっていった。

オリスが1917年に手がけた最初のビッグクラウン。この意匠は現行品でも楽しめる

その当時で実に270以上もの自社キャリバーを開発していたというオリスだったが、1970年代はクオーツショックの余波で経営難に陥る。この危機をASUAG(現スウォッチ グループ)に入ることで乗り切ると、1982年にはロルフ・ポートマンとウルリッヒ・W・ヘルツォークによって買い戻され、独立企業に返り咲く。同時期には、エボーシュをベースに独自のモジュールを加えるという、現在主流の製造体制をいち早く採用。オリスが手がける買い求めやすい価格のスイス製機械式時計は、やがて日本の有名セレクトショップが火付け役となり、大ヒットアイテムとなった。ちなみに、オリスがASUAGグループから離れて以降も、十分な量のETA社製ムーブメントを仕入れていたことが、スイス時計産業の復興に少なからず寄与していたことは、想像に難くない。

かくして歴史を途絶えることなく経営を継続してきたオリスは、2014年に満を持して35年ぶりとなる自社製ムーブメントCal.110を世界に公開。ノンリニアパワーリザーブ表示を備えたシングルバレルの10日間巻き仕様で、改めてオリスの技術力の高さを証明したのである。それから毎年、同社はGMTやマルチカレンダーの機能を付加したマニュファクチュールムーブメントを意欲的に発表。そして迎えた創業115周年。オリスは、ビッグクラウンプロパイロット X キャリバー115を発表した。最上位ラインの象徴である自社キャリバーを初めてフルスケルトンにした全く新しいデザインは、すでにオリスを所有している人にこそ見てほしい一本。手に取ればきっと、「あのとき、最初の一本でオリスを選んでよかった」と、心から誇らしく思えることだろう。

オリスが創業110周年に発表した110本限定のCal.110搭載機。好評を受けて、翌年にはレギュラー仕様のCal.111が登場した

 

ORIS TIMELINE

1904  スイス・ジュラ山脈のふもとにあるヘルシュタインにて、ポール・カッティンとジョルジュ・クリスチャンが創業

1911  従業員数が300名に達する

1925  ホルダーバンク、コモ、コルジリネ、ツィーフェン、ハーベッツィルに自社工場を開設ポケットウオッチに合うブレスレットの開発により、初の腕時計を完成させる

1927  ジャック・ダヴィット・ルクルトが新社長に就任

1938  ビッグクラウン ポインターカレンダーを開発

1949  8日間巻きのアラームクロックを発表。当時、年間20万個以上の腕時計と置時計を生産

1967  自社生産のレバー脱進機を使用したCal.652が、ヌーシャテル天文台からフルクロノメーター証明書が授与される

1969  従業員数800人以上、年間120万個の腕時計や置時計を生産するなど、世界の時計メーカーでも10指に入る企業となる

1970  現在のスウォッチ グループの前身となるASUAGグループの子会社ジェネラル・ウォッチ・カンパニーに売却される

1982  ジェネラルマネージャーのロルフ・ポートマンとマーケティング部長のウルリッヒ・W・ヘルツォークが経営陣買収を実施し、グループから脱却。社名をOrisWatch Co SAからOris SAとする

1984  自社キャリバーの生産を中止し、モジュールの開発に専念する方針に転換

1988  モジュール開発の皮切りとなる機械式アラーム機構搭載のCal.418を発表

1991  自社開発機構の改良を実施。第2時間帯表示付きのマルチカレンダーCal.581を発表

1996  ジャズとのコラボレーションをスタート

1997  ボタン操作で時刻調整が可能な世界初のワールドタイマーを発表

2002  新たなトレードマークとなる「レッドローター」の搭載を開始

2003  ウィリアムズF1チームとの契約を締結

2010  オーストラリア海洋生物保護団体と共に、グレートバリアリーフの保護活動を開始

2014  創業110周年を祝して35年ぶりの自社製機械式ムーブメントを開発。10年以上もの時間をかけて完成したCal.110は、10日間パワーリザーブ、特許取得のノンリニアパワーリザーブインジケーターを搭載

オリスの新時代を象徴する自社製スケルトンウオッチ

オリス「ビッグクラウン プロパイロットX キャリバー115」Ref.115 7759 7153-Set72201TLC 89万1000円/自社製ムーブメントCal.110を初めてフルスケルトン化したCal.115を搭載。240時間パワーリザーブを誇る主ゼンマイがほどける様子まで見通せるフェイスの立体感は唯一無二。チタン製ケースは、ジェットエンジンのタービンブレードを模したベゼルの仕上げが、ビッグクラウンの持つアヴィエーションの世界にさらなる広がりを与えている。手巻き。直径44mm。10気圧防水
航空機のシートベルトを想起させるバックルを採用。マルチピースのチタン製ブレスレットと共に個性を主張する

 

シースルーバックからは、より詳しく輪列構造が把握可能。無骨さ漂う仕上げが、時計のコンセプトを盛り上げる

 

すべては長く愛用できる腕時計を開発するために

機械式時計のロングパワーリザーブ化は、リューズ操作の回数を減らし、人為的ミスによる時計の破損を防ぐうえで最も有効な手段。だからこそ、オリスは自社製ムーブメントに10日間巻きを与えたに違いない。

このようにオリスは、何よりも長く使われることを考えてきた。過度なイベントやアンバサダー契約よりも、まず〝プロダクトファースト〞。現会長のヘルツォーク氏も、来日する際は、エコノミーシートだったというのは、よく知られたエピソードだ。破格のオリスウオッチは、そうしたストイックな時計製造への情熱のうえに成り立っている。

 

問:オリスジャパン TEL.03-6260-6876
https://www.oris.ch/jp

 

information

11月23日~12月25日まで、ビッグクラウンフェアを正規取扱店で開催!
フェア期間中、対象店舗でビッグクラウン商品を購入すると、旅行に便利な特製レザーケース(非売品)がもらえる! この機会をお見逃しなく!! 対象店舗はオリスブティック及び全国のオリス正規販売店(一部対象外店舗を除く)。

 

いまのオリスを支える人気シリーズにも注目!

オリスは、数多くの個性的なコレクションを展開することでも有名だ。シンボリックなのが飛行士がグローブ着用時でも操作しやすい大型リューズが特徴のビッグクラウン。それ以外の魅力的なモデルはギャラリーにて紹介する。

GMT針を追加した自社製モデル

オリス「ビッグクラウン プロパイロット キャリバー114」Ref.114 7746 4063-Set 1 22 72FC 74万8000円/自社製ムーブメントCal.110に1周24時間のGMT針を加えた発展型。随所に施されたレッドのカラーリングが、グレーダイアルに映える。手巻き。SSケース。直径44mm。10気圧防水

▼その他の代表的コレクションは下記で紹介▼

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