全国で外出自粛のさなかにミッシェル・エルブランがスタートした、独自の試着サービスが好調だという。現在も順次対応中だというこのサービスが好評を得ている理由に迫る。
5月7日のスタートから無料期間を延長し、いまも継続中のサービスとは?
かねてからあらゆる分野の「サブスクリプション」サービスは私たちの生活に浸透しつつあった。それが今回の新型コロナの流行によって加速し、いまや映像サービスでその恩恵に預かっている人はかなり多いことだろう。私たちは腕時計専門メディアゆえその分野に限った話となるが、腕時計でもサブスク的ビジネスモデルの腕時計レンタルサービスがある。KARITOKEはその筆頭で、特定のブランドウオッチをグレードに応じて月額3980円〜借りられるというものだ。たびたびメディアで取り上げられているので、ご存知の人も多いだろう。
こうした腕時計のサブスクは、良質な腕時計を身に着けることで得られる満足感を一時的に体験できるという点において、とても有効な仕組みといえる。実際、買うには高価すぎる、または買うほどではないけれど「試してみたい」「〇〇な時計が必要」という一定の人たちの需要にうまくマッチし、好調を続けているようだ。この状況を言い換えるならば、「ある程度の時間をかけて腕時計を試着したい」という人の多さを表しているともいえる。
このような腕時計の楽しみ方の新たな形が盛り上がるさかなに発生したのが新型ウイルスと、それに伴う「外出自粛」「営業自粛」である。レンタルではなく、腕時計を購入したいとは思っているが、外には出れない。出てもお店はやっていない。そんな状況では、一度湧き起こった「時計を買おう!」という購買意欲も、自身で抑制するほかなかった。打開策を見出したのは、輸入代理店のオールージュ。同社は、取り扱いブランドのミッシェル・エルブランで独自の試着サービスを始めたのだ。
日本版の公式サイト(https://michel-herbelin.jp/tryon/)によれば、申し込みは設置されている応募フォームに必要事項を記入し、希望型番とストラップの種類をセレクトして送信するだけ。在庫があれば1週間程度(在庫がない場合は順番待ち)で自宅に試着用の商品が届くので、最長5日間は日常生活のなかで腕時計を試着できるという。試着を終えたら、届いたときの梱包で送り返せばよい。
いま様々な高級ブランドでオンラインショップをスタートしているが、さすがに数十〜数百万円もする腕時計を試着もせずに購入できる人はざらにはいない。むしろ、ある程度の価格の時計を買うなら友人・知人、家族、恋人など、なるべく多くの人の意見を聞いてから決断をしたいところだ。とはいえ、何度も同行者を変えながら何度も同じ店に通うというのは、、、少なくとも筆者はためらってしまう。
ちなみにミッシェル・エルブランは、スイス国境に近いフランスの町シャルクモンで1947年に創業した時計ブランド。現在は世界50か国、約3000店舗という展開数に裏付けられるように、プロダクトの信頼性は高い。
こうしたミッシェル・エルブランの自宅で試着できるサービスはいま、当初は5月末までだった返送無料キャンペーンの期間が6月30日まで延長されており、その好評ぶりがうかがえる。知識は学べば身に着くが、体験は肌で感じてナンボ。ブランドウオッチにおけるオンラインショッピングの在り方を予感させるこのサービスに、WNは引き続き注目していきたい。
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