革新的技術で世界に名を轟かせる「シチズン(CITIZEN)」が、別ブランドとして位置付けているのが「カンパノラ」である。その最新作として発表されたのが、漆が描く古来の⾊“焦⾹(こがれこう)”の限定コンプリケーションウオッチ2モデルである。

日本伝統工芸技から生まれる装飾美を纏う
天体時計や複雑ウオッチ、本場スイスのラ・ジュー・ペレ製の機械式ムーブメントを搭載するモデルなど、カンパノラは多彩にして技術レベルが高く、何よりも“時を愉しむ”ことができる特別な存在だ。新作のグランドコンプリケーションとパーペチュアルカレンダーも、それらの例に倣った強い個性を持っている。
両機がテーマとしているのが、⽇本に古くから伝わる⾊味の焦⾹。これを再現するべくカンパノラ初の茶⾊の漆を使った文字盤は、落ち着きと奥行きを感じさせ、これまで以上の格式をもたらしている。

どちらの文字盤も漆と⾦属粉を⽤い、焦げた⾹⾊という意味を持つ焦⾹を美しく再現している。やや⾚みを帯びたその茶⾊は、淡い⾊合いの茶⾊の漆を塗り重ねることで、⽊⽬を思わせる⾊味や⾵合いを実現。漆ならではの日本的な伝統美と、シチズンが誇る複雑クオーツムーブメントの機能美を融合させたというわけだ。

個性的なネーミング「集(すだく)」は、4つの複雑機構とヒトの叡智が結集する様を重ね合わせたところから発案された
各サブダイヤルにカレンダーを、二重構造の五徳リングにはタキメーターと1/4秒クロノグラフ目盛りを印すなど、緻密ながら視認性を落とさない工夫が凝らされている
金属粉を混ぜた淡い茶色の漆を塗り重ねて磨き上げ、木目のようなダイアルに。マットゴールドカラーの五徳リングを組み合わせ、華やかでモダンな印象に仕上げた
ステンレスケースは、耐傷性に優れるシチズン独自の表面硬化技術デュラテクトで最も高い硬度(2000〜2500Hv)のデュラテクトαを採用。サファイアガラスと同等の硬さと、貴金属のような美しい輝きを獲得した
カーブさせたレトロな風防は硬質なサファイアガラス製。光の反射を抑える加工が施されている
焦⾹にゴールドカラーの外周リングが目を引く
「カンパノラ グランドコンプリケーション『焦⾹-集(こがれこう-すだく)』」は、スプリット計測まで可能なクロノグラフのほか、2100年2⽉28⽇まで閏年などの⽉末カレンダー修正を必要としないパーペチュアルカレンダー、⾳で時刻を知らせるミニッツ・リピーター、⽉の満ち⽋けを表⽰するムーンフェイズの4つの複雑機構を備える。
「カンパノラ グランドコンプリケーション『焦香-集(こがれこう-すだく)』」Ref.AH4081-09W 44万円/クオーツ(自社製Cal.6772)。ステンレススチールケース(デュラテクトα加工)、デュアル球面サファイアガラス(無反射コーティング)、カーフストラップ。直径43mm(厚さ16.5mm、設計値)。日常生活防水。8⽉13⽇発売予定。限定250本

2時位置の“未来ボタン”と4時位置の“過去ボタン”により、2000年を境にした前後100年分を自在に呼び出すことができる特殊機能を備える
時の螺旋をイメージした200年カレンダーのスパイラル表示に合わせた年針は、渦巻き星雲をモチーフとしている
トーンの異なるブラウンを組み合わせたコントラストが美しい文字盤。カレンダー(年・月・日・曜日)と時・分・秒、そして24時間の合計8本の針で表す
トノー型ケースに、2100年2月28日まで閏年などの月末カレンダー修正を自動で行う永久カレンダー機構を搭載
こちらも同様に、高硬度なサファイアガラスでドームフォルムを実現した風防となっている
トノーフォルムの個性的なケースに複雑メカを収める
機能面ではグランドコンプリケーションモデルに劣るものの、「カンパノラ パーペチュアルカレンダー『焦⾹-移(こがれこう-うつろい)』」も実に興味深い一本といえる。“未来ボタン”と“過去ボタン”によって、⻄暦2000年を境に前後100年を⾃在に呼び出すことができるユニークな機能を実現している。そのような時の流れを⽰す特殊性から『焦⾹-移(うつろい)』と名付けたという。
「カンパノラ パーペチュアルカレンダー『焦⾹-移(こがれこう-うつろい)』」Ref.AG6251-06W 41万8000円/クオーツ(自社製Cal.6704)。ステンレススチールケース、デュアル球面サファイアガラス(無反射コーティング)、カーフストラップ。縦52.8×横41mm(厚さ15.7mm、設計値)。日常生活防水。9⽉上旬発売予定。限定200本
問い合わせ先:シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807
https://campanola.jp/index.html
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