実用性とステータス性を両立するラグジュアリーウオッチとして、「ロレックス(ROLEX)」ほど人気のあるブランドも少ない。だからこそ世界中で認められているが、そんなNo.1ブランドが日本時間4月7日午後7時に2021年のニューモデルを公開した。その中でも注目の「エクスプローラー」について紹介する。
冒険者を称える堅牢なシンプルウオッチ ―― エクスプローラー〈EXPLORER〉
1953年5月29日、エドモンド・ヒラリー卿とテンジン・ノルゲイが人類史上初めて標高8848mのエベレスト登頂を成し遂げた。彼らイギリス遠征隊が装備品として携行したのが、ロレックス製のオイスター パーペチュアルであったことは知られるところで、同社が当時すでに冒険家たちをサポートしていたことがうかがえる。
この世界最高峰の制覇をきっかけに、冒険者の精神を称え、実際に極地での使用を想定した腕時計として開発されたのが、同年1953年発表の「エクスプローラー」のファーストモデルである。以来、70年近くも継続するロングセラーとして君臨しており、モデルチェンジを経ても大きくデザインを変えない一貫したコンセプトで高く評価されている。
発表されたばかりの最新作「エクスプローラー Ref.124270」も、永久不変なデザインを受け継ぎ、3・6・9のアラビア数字インデックスを配した極めて視認性の良いブラックダイアルを採用。センターに時・分・秒を示す針が備え付けられたスタンダードな設計だが、時針は“ベンツ”のマークに似たロレックス伝統の意匠となっている。これら3針と各インデックスは、青色発光の長時間継続ルミネッセンス「クロマライト ディスプレイ」となっており、暗闇においても時刻を読み取れる工夫がなされている。
世代交代で生産終了を迎えた先代のRef.214270は、2010年のデビューで約11年間ラインナップされていたことになる。発売時の話題がケースの大型化で、それまでは36mm径だったものが39mm径となった。しかし今回の新作であるRef.124270は、再びミニマルな36mm径へとダウンサイジングされているのだ。これには賛否両論が出そうだが、個人的には長らくエクスプローラーの定番サイズだった36mm径への回帰を嬉しく思う。腕元の存在感では先代に劣るかもしれないが、腕の細い人やスーツに合わせて使いたい人には、このサイズの復活を待ち望んでいた人も多いに違いない。
ディテールもブラッシュアップされているが、まず触れておくべきはムーブメントだろう。新エクスプローラーは約70時間パワーリザーブを有する「キャリバー3230」へと変更され、実用性が格段に向上している。引き続き、Superlative Chronometer(高精度クロノメーター)の認定を取得し、ケーシング後のテスト日差-2秒~+2秒という圧倒的な正確性を実現。さらに、常磁性合金から製造されたブルー パラクロム・ヘアスプリングや高性能パラフレックス ショック・アブソーバを内蔵しており、機械式ムーブメントとして高水準な耐磁性や耐振動性を達成している。
- TAG