2020年の「ブライトリング(BREITLING)」は、フラッグシップコレクションである「クロノマット」のリニューアルを実施して時計界の話題をさらった。今年の新作も大いに期待が寄せられているが、そのひとつが“ヘリテージ”に捧げる美しいクロノグラフである。
1940年代に創出されたエレガントなスタイルを実用的に昇華させる
飛行士が着用する航空クロノグラフをメインに製造していたブライトリングが、エレガントで美しいクロノグラフを求めて1940年代に開発したのが「プレミエ」だった。フランス語で“最初”の意味を持つ名が与えられたタイムピースは、クラス感と普段使いに適したデザインで、時代を象徴するコレクションとなったのである。それは、レオン、ガストン、ウィリー・ブライトリングという、ブライトリングの黎明期を力強く牽引した3世代の発明家によってもたらされたのだ。
その歴史的にも貴重なプレミエを現代の視点から蘇らせた現行モデルは、2018年のブランド新体制移行とともにデビュー。ブライトリングのラインナップで随一の気品を備え、同時にヴィンテージ調の味付けもされていることで、唯一無二のポジションを確立している。
初期プレミエに敬意を表した2カウンターの手巻きクロノグラフ
今回発表された「プレミエ」は大きく3つに分けられる。
もっともスタンダードなのが「プレミエ B09 クロノグラフ 40」で、40mmケースに自社開発・製造のキャリバー01をベースとする手巻き式、「キャリバーB09」を搭載している。これは1940年代のオリジナルモデルを強く意識した仕様であり、まずは2機種がラインナップされた。
ステンレススチールケースに印象的なピスタチオグリーンダイアルをセットした基本モデルと、落ち着いた色合いのシルバーダイアル×18Kレッドゴールドケースの高級バージョンが登場。いずれもインダイアル(3時位置に30分積算計、9時位置にスモールセコンド)は、文字盤と同色でサーキュラー加工が施されている。
クロノグラフの複雑さを高めたスプリットセコンド機能を装備
「プレミエ B15 デュオグラフ 42」は、センターにクロノグラフ秒針を2本備え、複数のラップタイムを計測できるスプリットセコンド機能を搭載するコンプリケーションモデルだ。スタート/ストップとリセットのプッシャーのほかに、第3のボタンがリューズとドッキングしており、デュオグラフ(ブライトリングが1940年代に使っていた言葉で、クロノグラフ・ラトラパンテを指す)を操る。
極細針はクロノグラフのスタート時はぴたりと重なり合っているが、1本目が中間タイム表示用として止まる一方で、スプリットタイムを示す2本目は操作しない限り動き続ける高度なギミックは、機械式クロノグラフでもっとも所有者に満足感を与えるもの。トゥールビヨンやミニッツリピーターと並び称される複雑なメカニズムを、自社開発でやってのけたブライトリングを称えたい。
デザインは「プレミエ B09 クロノグラフ 40」を踏襲するもので、ステンレススチール製のブルーダイアルモデルか、“黒金”デザインの18Kレッドゴールドモデルから選択できる。
往年のファンが喚起する由緒ある「ダトラ」が復活
12時位置の2つの小窓に月と曜日、6時位置インダイアルにポインター式の日付を配したコンプリートカレンダーに、ムーンフェイズを加えた多機能クロノグラフとして、ブライトリングの長い歴史でも名高い「ダトラ」が復活。1940年代の息吹を感じさせるダイアルレイアウト、ラウンドケース側面のユニークな溝のデザイン、長方形のレトロなクロノグラフプッシャーなど、プレミエらしいディテールを巧みに融合させた。
ステンレススチールモデルには、こちらもヴィンテージライクなカッパーカラーの文字盤がセットされ、高貴なドレスウオッチスタイルの18Kレッドゴールドモデルにはシルバーダイアルが採用されている。今回発表されたプレミエコレクションの中で、唯一ブルーの針を使っていることもクラシック感を際立たせている。なお、本機には自社開発・製造の自動巻きムーブメントが搭載されている。
ブライトリング・ジャパン TEL.0120-105-707 https://www.breitling.com/jp-ja/
Text/WATCHNAVI編集部
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