今年2月に発表したPRXが好評を博しているなか、ティソがまたしても魅力的なハイコストパフォーマンスウオッチを発表した。最新作「ティソ シースター 2000 プロフェッショナル」は、その名の通り2000フィート(=60気圧/600m)防水性能を誇るダイバーズウオッチ。驚くべきは、12万円台で購入可能というプライス設定だ。このほかにも語るべき要素の多い本作について、詳しく見ていこう。なお、発売は7月が予定されている。
TEXT/Daisuke Suito(WN)
厚みのあるケースは頼れる堅牢性の証
腕時計を長く使うことを考えれば、耐久性能は極めて重要なスペックだ。その性能の指針となるのが防水性能。腕時計は機械式、クオーツを問わず水分に弱い。時計内部に水分が混入すればガラスの内側が曇り、針や機械はサビついてしまう。もちろん腕時計に不具合をきたす要素は衝撃や磁気などさまざまにあるが、最も注意したいのはやはり水分である。多くの腕時計は3気圧から10気圧程度の防水性能を有しているが、これでも心許ないと考える人は多いだろう。特にこれからの時期は、突然の雨なども考えられる。そうなると、防水性能が高い時計の方が日常使いには安心といえるだろう。
腕時計の人気ジャンルでもある「ダイバーズウオッチ」は、200m防水以上が最低条件となっている。厳密にはISO6425などの世界的な規格があり、それらの条件全てを満たすことで「ダイバーズウオッチ」と呼ぶことが許される。このたびティソが発表した「ティソ シースター 2000 プロフェッショナル」は、そうした国際規格が定める防水性能の最低ラインの約3倍となる60気圧防水を有する、ハイスペックダイバーズである。
ティソは、1938年からねじ込み式密閉構造によって防水性と防塵性、耐磁性を備えた時計を開発してきた歴史を持つ。約80年に及ぶ技術研鑽が生んだ最新作は、高い防水性能に加え、作業用潜水で主に行われる「飽和潜水」の際に必要となるヘリウムエスケープバルブも搭載。腕時計にかかる気圧の急激な変化を調整可能としている。
直径46mmという大きなサイズは、プロダイバーが濡れた手やグローブをしたままでも逆回転防水ベゼルを操作しやすくしているほか、必要十分な視認性の確保にも寄与。視界の悪い深海で経過時間を気にしながら作業を進めるには、これぐらい大型の方が安心して使えるのだ。厚みも16.25mmとかなり大きいが、これも60気圧防水性能を確保するために必要なサイズであり、過酷な環境での使用を想定すればむしろ安心感がある。
こうした堅牢なステンレススチールのケースに守られる内部機械には、最長80時間のロングパワーリザーブを有する「パワーマティック 80」ムーブメントを採用。正確な時刻表示に欠かせないひげゼンマイは、チタンベースの非磁性合金「ニヴァクロン」になっており、ダイバーズウオッチの要件にある耐磁性能も高水準で満たしている。
このように信頼性の高い仕様を数多く備えながら、文字盤には高級感漂うデザインが凝らされている。深海へと潜水をしていく視界を想起させるグラデーション文字盤は、ウルトラマリンブルー、ノルディックブルー、ダークストーミーグレーの3つのバリエーションで展開。それぞれに波の模様が刻まれており、ダイビングを終えた後でも、すぐにタウンユースで使える点も大きな魅力だ。
これだけのハイスペックを備えた本機だが、裏はシースルーバックになっている。先進のムーブメントの駆動を眺める時間は、ツールにこだわる本格派にも、歯車の虜になった時計好きにも嬉しい仕様だといえよう。そのまま視点をラグに向ければ、簡単にストラップ交換が行える「インターチェンジャブルクイックリリース」システムが確認できる。別売りのストラップと付け替えれば、その日のスケジュールやコーディネイト、気分に応じて時計の表情を変えることができる。
なるべく予算を抑えながら長く使える腕時計を選ぶとき、「ティソ シースター 2000 プロフェッショナル」のようなハイコストパフォーマンスウオッチは、有力な候補となるだろう。サイズ感と装着感さえ気に入れば、必ず役立つ一本となるに違いない。
問い合わせ先:ティソ TEL.03-6427-0366 https://www.tissotwatches.com/ja-jp/
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