“時計の進化を200年早めた”とされるアブラアン-ルイ・ブレゲが創業した「ブレゲ」と、1本ずつ熟練の職人が手作業で仕上げるスイス最古参の時計ブランドである「ブランパン」。老舗同士の2019年新作は、それぞれのアイコンシリーズの魅力をさらに高める、意欲的なタイムピースとなっている。
BREGUET〈ブレゲ〉のニューモデル
ブレゲの2019年新作は、旗艦シリーズの「クラシック」と、エレガントスポーツウオッチの「マリーン」が主軸。前者からは、スケルトンウオッチの新たな表現を追求した高性能モデルが登場し、後者からは、普段使いを念頭に置いたチタンブレスレット仕様が加わった。
厚さ3mmの極薄トゥールビヨンムーブメント、キャリバー581をフルスケルトン化した初の一本。従来機から約50%も素材を削ぎ落としながら、毎時2万8800振動と80時間パワーリザーブを維持。まさに伝統と革新が融合した複雑時計だ。
ブレゲが誇るエレガントスポーツウオッチに、フルチタンのバリエーションが新加入。その素材の軽快さ、堅牢さをグレーダイアルによって強調している。特徴的なブレゲ針の丸いモチーフとローマ数字インデックスには蓄光塗料を加え、視認性に配慮している。
BLANCPAIN〈ブランパン〉のニューモデル
「フィフティ ファゾムス」は、1953年に発表された現代ダイバーズの先駆け。2019年は、その歴史的名作の変遷を新解釈した特別モデルが複数発表された。
米国空軍向けにフィフティ ファゾムスから着想を得て試作され、1950年代末に人気を博したミリタリーウオッチがルーツ。15と45を入れ替えたカウントダウン回転ベゼルを踏襲。毎秒10振動する先進のフライバッククロノグラフムーブメント、キャリバーF388Bを搭載する。
フィフティ ファゾムスとフランス海軍特殊部隊の親密な関係を象徴するリミテッドモデル。オリジナルモデルを忠実に再現したマットブラック文字盤には、潜水士にとって重要な数字とされる「7」をさりげなく配置。裏蓋には特殊潜水部隊の徽章を刻む。
1960年代にドイツ海軍へフィフティ ファゾムスを供給していた仲介企業、バラクーダ。同社がドイツ市場に登場させた名機の派生型が、2019年に希少な500本限定で復活。控えめなケースサイズに特徴的なインデックスなど、個性際立つ一本。