時計の名店を巡ってスタッフと好きな時計や地元について談議。岡山TOMIYA編

「名店」を辞書で引くと、名高い店。有名店。と、ある。筆者はここに“地域から親しまれている店”と、付け加えたい。その理由は、名店は地域からの信頼によって育てられるものと考えるから。時計の名店も全国津々浦々にあるが、この連載ではショップを訪ねて、スタッフの時計愛や地元愛から名店と呼ばれている理由を探る。まずは岡山を拠点に複数店舗を展開しているグループ、トミヤのメカミュージアム店長・小川宗章さんに話しをうかがった。

時計はオン・オフの切り替えスイッチのような存在

時計修理専門学校を卒業したという小川さんが時計に興味を持つきっかけとなったのが、父の存在だったという。「父がスウォッチを集めており、幼いときから時計は身近なものでした。ですから物心が付いたときには、興味の対象でしたね。同時にモノを作ったり、直したりすることにも魅力を感じていたので、時計修理士を目指したのです」(小川さん)

トミヤ入社後は、販売スタッフとして店頭に立つことが徐々に増え、いまではメカミュージアムのリーダーとなっている。「学んだ時計知識も生かせますし、時計好きとしてはこれ以上ない職場です。遠方からも足を運んで下さる顧客様が増えていくうちに、接客の仕事が楽しくなりましたね」

時計に対する気持ちが強い小川さん。2019年を振り返って良い時計だと思った一本を選んでいただいた。「機械式時計の扱いに慣れていない方にも紹介しているのが、IWCの新スピットファイアです。高級時計ですが高級っぽくないデザインで楽しめるモデルですし、機構もシンプル。ストラップ交換も可能なので、ビシッとキメたいときにはレザーに付け替えることを提案しています。新ムーブメントになったことでパワーリザーブが長くなり、使い勝手も向上しました」

IWC「パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア」Ref.IW326801 58万3000円/自動巻き(自社製Cal.32110)。毎時2万8800振動。72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース。布製ストラップ。直径39mm、厚さ10.8mm。6気圧防水

 

小川さんが着けているのは、IWCとはクラシックデザインで共通するレベルソ。自身の体験からその魅力も語ってくれた。「このレベルソ デュオはトミヤ入社後に買った2本目の時計です。1本目がラウンドのカリブル(カルティエ)だったので、次は角型が欲しいと考えていました。また、スイス出張に出かける機会があり、デュアルタイムの時計も欲しかった。そこで25歳の記念に、落ち着いた雰囲気のある“シブい”レベルソを選んだのです。スーツにも似合いますし、ジャストなサイズも気に入っています」

小川さん私物のジャガー・ルクルト「レベルソ・デュオ」

 

最近欲しいと思った時計についても尋ねたところ、レベルソと共通するモデルが候補に挙がった。「パネライのルミノール 1950のGMTモデルですかね。パネライではめずらしいクルー・ド・パリのワッフル調ダイアルが秀逸で、年間に800本しか作っていないという希少性も魅力です。存在感や視認性の良さはそのままに、装着の快適さを追求した42mmサイズのため、大きいからといってパネライを敬遠してきた方にも試着していただきたいですね。便利なデュアルタイムも付いています」

パネライ「ルミノール GMT 42mm」Ref.PAM01535 105万6000円/自動巻き(自社製Cal.P.9011)。毎時2万8800振動。72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)。カーフストラップ。直径42mm。10気圧防水

 

時計修理専門学校卒ということで、メカにも精通する小川さん。最新技術についても注目している。「時計に趣味性を求めることも醍醐味。そういった意味では、クストスのプティセコンドモデルが驚かされたモデルです。機械式時計の弱点である磁気(微弱な永久磁石から発せられる)で、タービンを想起させる羽根車のスモールセコンドを安定させ、秒の正確性と立体的な構造も実現しています」

クストス「チャレンジ ジェットライナー II P-S オートマティック」Ref.CVT-JET2-PS 5NBLTT 269万5000円/自動巻き。18Kレッドゴールド+チタン(ブルーPVD加工)ケース(シースルーバック)。アリゲーターストラップ。縦53.7×横41mm。100m防水

 

毎日のように時計を扱っている小川さんにとって、時計とはどういった存在なのか?「仕事中はこのレベルソかカリブルを着用していますが、実のところプライベートではあまり着けないように意識しています。それは、時計がオンとオフのスイッチのような存在のため。ですから持っているのはスーツにマッチするモデルなのです」

“オフ”の時間は、どうリラックスしている?「時間は切り替えが大切ですし、それが良い仕事にも繋がる。仕事が終わればスタッフ同士で食事に行くこともしばしばあります。仕事の反省もしつつ、プライベートの話もしますね。ここから歩いてすぐのところに、『焼酎道楽 金星』というお店があり、よく利用しています。岡山市内には食事もお酒も美味しいお店がたくさんありますので、トミヤにお越しの際はお薦めな食事処もお尋ねください(笑)。スタッフごとでお気に入りが違うので、様々なお店情報も入手できるはずです!」

小川さんがお薦めする飲食店、「焼酎道楽 金星」

 

地域への密着・貢献をテーマに掲げるトミヤコーポレーションは、2020年に88周年を迎える。現在は時計だけではなく、ジュエリーからライフスタイルアイテムまで揃える、生活を豊かにするショップを目指しているとのことだ。取材に協力してくれた小川さんもまた、トミヤに負けないくらいの地元愛を持つ。そんなスタッフが集まるショップだからこそ、長年続く名店と呼ばれているのだろう。

 

<取材・撮影協力>
トミヤ メカミュージアム

20代から狙える本格ブランドのエントリークラスからマニアックな複雑時計まで、多種多様なタイムピースを数多く揃える。さらにモンブランの革製品やカフスボタンといったこだわりのセレクトアイテムも用意

TEL:086-226-1038
住所:岡山県岡山市北区表町2-1-39
営業:11:00~19:30
定休日:無休
https://www.tomiya.co.jp/

取扱ブランド:ブライトリング、クストス、ガランテ、IWC、モンブラン、パネライ、ゼニス、ロジェ・デュブイなど

 

<小川さんお気に入りの地元店>
焼酎道楽 金星

地元の食材を駆使した料理をはじめ、鮮魚の刺身、馬刺し、鶏刺しも提供する和食居酒屋。150種類以上の色とりどりの美味しい焼酎と和食料理がメイン

https://www.kinboshi2011.com/

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