カモフラージュ柄をチタンで表現するという挑戦
泉さん:チタンケースの採用は今後もG-SHOCKが進化するうえで欠かせない過程でしたが、一方で見た目の意外性に欠けるかな、という思いがあったことは素直に認めます(笑)。そこで、チタンケースをベースにして、まったく新しいことにもチャレンジしました。
――9月の展示会で拝見したカモフラージュ柄のチタンモデルですね?
泉さん:このカモフラージュ柄は、顕微鏡レベルで確認できる大・中・小の円の組み合わせで作られています。印刷物における“アミ点”をイメージしていただくとわかりやすいと思います。
西村さん:この模様は、DLC加工を施したあとに、レーザー加工で表面処理を緻密に削り取ることで成立させています。レーザー加工自体はすでにある技術ですが、これをフルメタルの角型G-SHOCKにどう落とし込むかという点でデザイナーは苦労したようです。ブレスレットをコマ詰めしてもバランスが保たれるよう2つのパターンを組み合わせるなど、細部まで試行錯誤を繰り返していました。こうしてデザイナーが考え抜いたパターンを均一に作る私たちも大変で。パーツにレーザー加工を施すための型にピタリと合わせる必要があるんですが、型に隙間がないとパーツが入らず、かといって隙間があると歪みが出てしまう。結局、歪みなく作るには人の目と手が必要になってくる。なので、ケースも、ブレスレットも、ひとつひとつレーザー加工を行うたびに人の手でセッティングしているんですよ。
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