セイコーのデジタルウオッチが「重要科学技術史資料」に認定

「セイコー」は、1969年に世界に先駆けてクオーツ腕時計を生み出したことで広く知られている。その技術を応用して製作されたのが、1973年に発売した世界初の6桁表示デジタルウオッチ「セイコー クオーツLC V.F.A 06LC」である。この度、この傑作時計が国立科学博物館が認定する2019年度「重要科学技術史資料」に登録された。2018年度登録の世界初のクオーツ式腕時計「セイコー クオーツアストロン 35SQ」に続き、セイコーは2年連続で認定を受けたことになる。

 

世界のデジタルウオッチに影響を与えた名機

「セイコー クオーツLC V.F.A 06LC」/1973年にセイコーが発売したデジタルウオッチ。世界で初めて6桁液晶表示を実現した。セイコーミュージアムに常設展示されている

2008年に制定された「未来技術遺産」とも呼ばれる「重要科学技術史資料」は、高度な技術で歴史を塗り替えた“実物資料”に対して与えられる栄誉の称号である。重要な発明や開発品を次世代に継承するべく、独立行政法人・国立科学博物館の産業技術史資料情報センターが登録を行なっている。

今回、セイコーが1973年10月に発売した、時刻表示に世界初の6桁液晶ディスプレイを採用したデジタルウオッチ「セイコー クオーツLC V.F.A 06LC」が、2019年度の“実物資料”として登録された。本作のため独自に開発したFE(Field Effect)方式の液晶を搭載し、時・分・秒を常時表示できる画期的なデジタルウオッチとして、改めて評価されたのである。

当時、LED(発光ダイオード)方式やその他の液晶方式なども存在したが、担当した諏訪精工舎(現・セイコーエプソン)は、消費電力が低く、視認性の高いFE方式の研究に着手。時計に適した液晶の合成方法など、あらゆる課題を解決するとともに、クオーツ式腕時計で蓄積した量産技術を活用して、「セイコー クオーツLC V.F.A 06LC」を完成させたのだった。

その後も積極的にデジタルウオッチの開発・製造に取り組んだ結果、世界のデジタルウオッチの主流は「セイコー クオーツLC V.F.A 06LC」が採用していた方式になったという。なお諏訪精工舎は、本作で得たノウハウを活かして液晶事業も展開。現在、セイコーエプソンの主力事業のひとつに数えられる液晶プロジェクターは、まさに世界初の6桁表示デジタルウオッチから生まれたといっても過言ではない。

 

セイコーミュージアム

住所:東京都墨田区東向島3-9-7
TEL:03-3610-6248
開館時間:10:00~16:00(入館無料)
閉館日:月曜、祝日、年末年始(ほかに臨時休館日もあり)
予約方法:電話またはHPより要事前予約
 https://museum.seiko.co.jp

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