2019年も時計界は盛り上がりを見せたが、その中でもとくに注目を浴びた一大ニュースについて振り返る。今回のテーマは時計の“イノベーティブ”。ケース、文字盤、ムーブメントと、各部で毎年のように凄まじい技術革新が進行中だが、その最たる例として発表されたのがゼニス「デファイ インベンター」といえよう。
<Topic.1>ゼニス「デファイ インベンター」
2年前の革新技術をより高性能に、そして量産化にも成功
44mm径チタンケースに革新的なオシレーターを搭載したCal.9100を収める「デファイ インベンター」は、機械式の弱点だった部品の消耗を極限まで低減させている。そして磁気の影響もゼロに。温度変化や衝撃にも強く、姿勢差による重力の影響も受けづらくなるという、従来の機械式時計とは一線を画すスペックを誇る。
そして優れるのは内部機構だけでなく、外装についても。アルミポリマー合成素材の「アエロナイト」は、チタンの3倍軽く、石のような表面が特徴的。ベゼルに採用することで、アヴァンギャルドな雰囲気を演出することにも貢献している。
時計店スタッフの評価
「超画期的な新システムの初めての量産化。デザインも近未来的で、日に日に注目度が高まっています」(KOHARU-コハル-/岩津美智代さん)
ウオッチナビ読者の評価
「2017年に世界限定10本で試験的に発売されたときは、本当に量産されるとは思いもよらなかった。さすがゼニス!」(埼玉・U.Uさん)
機械式時計はまだ未知の可能性を秘める
電子技術の進化のスピードに比べれば、機械式時計はすでに完成された印象を持つ人も多い。だが、実は機械式時計も急速に技術革新が進んでいるのだ。ワイヤ放電加工機や3Dプリンターなどの工作機器しかり、新マテリアルしかり。中でもゼニス「デファイ インベンター」は、突出した存在であった。
ティットコレクション 福井店の早川和伸さんいわく、
「各ブランドは毎年新型ムーブメントを発表していますが、基本技術を継承しながらアップデートしていくのが普通です。しかし、インベンターは別物。これまでの機械式ムーブメントの概念を覆す構造とスペックです。ムーブメントの動きも、まるで生き物。マニュファクチュールブランドのゼニスならではのモデルです」。
また、BEST新宿本店/前川真二さんは、
「このムーブメントの構造に驚いたとともに、将来的にはこれをベースにさらに凄い機構が出てくるのではないかという期待感が湧いてきました」と語る。
一方、エレクトロニクスの分野でもエポックメイキングな発明が。シチズンより年差±1秒のエコ・ドライブモデル「ザ・シチズン キャリバー0100 スーパーチタニウム 限定モデル」がデビュー。外部に繋がることで精度を補正するのではなく、時計単体で超高精度を実現したイノベーションである。
<Topic.2>シチズン「ザ・シチズン キャリバー0100 スーパーチタニウム 限定モデル」
世界初“年差±1秒”を達成した技術力は日本の誇り
時計専門誌・ウオッチナビの2019年人気ランキング、新作ドレスウオッチ部門で1位に輝いた年差±1秒のキャリバー0100搭載モデル。通常の音叉型水晶振動子に比べ250倍以上となる8.4MHzの周波数を持つ、ATカット型水晶振動子を内蔵する。
時計店スタッフの評価
「外部からの時刻修正を必要とせず、単独で高精度を誇る。バッテリー交換不要のソーラーパワーも実現した」(やぶ内時計舗/藪内正己さん)
ウオッチナビ読者の評価
「いまだにクオーツも進化を続けているんですね」(熊本・U.Oさん)「日本人として誇らしい気持ちになる。元気が出る」(大阪・E.Uさん)
ゼニスに関する問い合わせ:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス TEL.03-3575-5861
https://www.zenith-watches.com/jp_jp/
問:シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807
https://citizen.jp/