時計専門誌・ウオッチナビでは毎年秋、一年のうちに登場した「欲しい時計」についてのアンケートを実施している。その得票を集計し、ジャンル別のランキングを作成。発表している。前回記事では「クロノグラフ」のランキングを紹介したが、本記事では時計本来の美しさを追求した「ドレスウオッチ」をフィーチャー。上位のランクインモデルはいずれも、細部まで匠の技が注ぎ込まれた気品溢れるディテールやシルエット、機能美を堪能できる逸品だ。読者の声や有名時計店スタッフのコメントも参考にしてほしい。
<ドレスウオッチ5位>ピアジェ「アルティプラノ」
気品ある隕石文字盤に心奪われる
薄型ムーブメントの旗手である老舗の代表作「アルティプラノ」に、メテオライト文字盤モデルが新加入。わずか6.36mm厚のケース、繊細なインデックス&指針、天然素材の隕石ダイアル、ムーブメントまで、すべてのパーツを薄く仕立てあげる技術はさすがだ。
読者の声
「極薄ムーブメントの話題が多いピアジェですが、今年は外装に力を入れたみたいですね」(石川・E.Uさん)
「隕石ダイアルもピアジェが作ると上品な感じ」(兵庫・O.Iさん)
スタッフのコメント
「上質感のあるメテオライト文字盤は一見、静謐な印象を受けますが、存在感もある。見事な逸品です」(小林時計店/佐川 哲さん)
<ドレスウオッチ4位>ウブロ「クラシック・フュージョン ベルルッティ スクリット フラットビアンコ」
ベルルッティとウブロの両ファンが完成度を絶賛
「クラシック・フュージョン」は、初期ウブロの良さを受け継ぐタイムピース。同社とイタリアの高級靴メゾン、ベルルッティとのコラボレーションも4年目を迎え、新たに登場したのがこの日本100本限定の3針モデルである。フラットビアンコと呼ばれるホワイトレザーとチタンケースが好相性だ。
読者の声
「創業120年を誇るベルルッティの靴用レザーと同じ工程で作られるストラップと文字盤が凄い。靴好きにはたまりません」(熊本・K.Oさん)
「18世紀のカリグラフィーにインスパイアされた文字が雰囲気あって最高です」(京都・O.Hさん)
「2018年のクロノグラフよりも爽やかな感じで良かった」(群馬・D.Hさん)
<ドレスウオッチ3位>ロレックス「オイスター パーペチュアル デイトジャスト 36」
“最新が最良”を体現する新世代キャリバーで飛躍
世界市場でロレックス一番のセールスを記録するデイトジャストの最新バージョン。ケースサイドとラグのデザインが一新され、新ムーブメントCal.3235を搭載する、36mmモデルのアップデートバージョンだ。ラグジュアリーな5連ジュビリーブレスレットと、18Kホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルが抜群の相性を見せる。
読者の声
「かつてのエクスプローラーⅠと同じサイズ。パートナーとシェア中」(青森・I.Fさん)
「レディスでは物足りないので、メンズを探していたら出会いました」(千葉・S.Uさん)
スタッフのコメント
「“最新が最良である”というポリシー通りの新定番。基本型は崩さず、最新キャリバーを搭載しました」(トンプキンス 佐野/石川真也さん)
<ドレスウオッチ2位>ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ」
初期レベルソを継ぐクラシックな意匠が2位を堅持
1933年の文字盤デザインに着想したレベルソ・トリビュートのデュオモデル。角型時計の超ロングセラーであり正統派とされる本作は、反転式ケースを採用しており、裏面にはセカンドタイムゾーンを表示する実用性も備えている。レベルソブルーダイアルにアプライドインデックスとドーフィン針、外周にレイルウェイミニッツを配した。老舗カーサ・ファリアーノデザインによるカーフストラップを装着。
読者の声
「第2時間針の早送りプッシュボタンが、12時位置のスライドレバーに。こういう改良はうれしい」(神奈川・E.Iさん)
「ブルーの色味が独特できれい」(福岡・M.Eさん)
スタッフのコメント
「表面のブルーダイアルの美しさに加え、裏面も立体感のある美しいシルバーダイアルが目を引きます」(安心堂 浜松店/浅井章之さん)
<ドレスウオッチ1位>シチズン「ザ・シチズン キャリバー0100 18Kホワイトゴールド限定モデル」
年差±1秒の光発電エコ・ドライブが腕時計の未来を拓く
2019年、ドレスウオッチ界に“ハイスペック”を持ち込んだのが、年差±1秒という革新のエコ・ドライブウオッチ「ザ・シチズン」である。クオーツはもともとケース厚を抑えられるためスリムで美しいフォルムにしやすく、さらに本作では高級な18Kホワイトゴールドを採用している。
驚異的な高精度(年差±1秒)を実現するエコ・ドライブムーブメントは、LIGA工法(微細構造物形成技術)によって各部品を高い精度で加工・製造され、歯車のわずかな遊びも制御しているという。ホワイトゴールドケースとアイボリー文字盤のシンプルな美が、細く長い秒針の動きを際立たせる点にも注目したい。
読者の声
「標準電波やGPSなど外部から制御されるのではなく、時計単体でこの高精度。日本の技術力に感動した」(広島・K.Oさん)
「裏スケから見えるムーブメントも、しっかりした仕上げでびっくり」(岐阜・S.Aさん)
「やはり日本のクオーツ技術は世界最先端。一方で、すり鉢状のダイアルや、先端がラウンドした見やすい秒針など、ディテールにも上質感が漂っています」(愛知・E・Sさん)
スタッフのコメント
「年差±1秒の光発電でホワイトゴールドケース。価格も含めて、何もかもが豪快でチャレンジング、しかも斬新です」(日新堂 銀座本店/稲月友和さん)