時計のトレンドを追い続けている評論家やジャーナリストに、2020年に発表された新作時計で特に気に入ったモデルを5本、セレクトしてもらった。時計のプロである彼らの意見に耳を傾け、時計知識を深めていただきたい。今回は、小誌『ウオッチナビ』編集長・水藤大輔のベストウオッチを紹介する。
【ウオッチナビ編集長・水藤大輔】
若手ながらすでに業界歴は15年以上。2019年から5代目編集長に就任。カジュアル系から超高級ブランドまで、あらゆる時計をカバーする
<私的ベストウオッチ①>JPN「130R」
JPN「130R」Ref.JPNW-001GR 13万2000円/ソーラー(SEIKO EPSON)。カーボンケース、ラバーストラップ。直径45mm(厚さ12mm)。10気圧防水
実機に触れ、写真では伝わりにくい質感の高さを知った!!
「欲しいというか、実際に購入。レースドライバー出身で、時計愛好家でもある方が作っただけあり、とにかくストレスフリー。“ メイドインジャパン”のカタカナ表記に透ける海外視野の展開にも注目です」
問い合わせ先:オールージュ TEL.03-6452-8802 https://jpn.inc/
ノルケイン「フリーダム 60 GMT」Ref.NNZ2100ZG/N215/20EO.18Z 48万4000円/自動巻き(Cal.NN20/2)、毎時2万8800振動、70時間パワーリザーブ。ブロンズケース(シースルーバック)、ノーランドレザーストラップ。直径40mm(厚さ14.5mm)。100m防水。世界限定300本
ケニッシとの共同開発ムーブメントを使うなど話題性も十分!!
「スイス時計作りの伝統を守るという使命を自らに課し、驚くべきスピード感で攻める姿勢に共感。実質2年目とは思えないほど成熟した作りは、50万円以下のレンジの時計で群を抜くものと言えるでしょう」
ノルケインとケニッシの共作、Cal.NN20/2。ローカルジャンピングアワーGMT機能、ロングパワーリザーブ、COSC公認クロノメーターなど高性能にして高精度な仕様
「フリーダム 60 GMT」Ref.NNZ2100ZG/N215/20EO.18Z
「フリーダム 60 GMT」Ref.NNZ2100ZG/N215/20EO.18Z
「フリーダム 60 GMT」Ref.NN2100SG/B211/20BO.18S
「フリーダム 60 GMT」Ref.NN2100SG/B211/20BO.18S
「フリーダム 60 GMT」&「フリーダム 60 39MM」
問い合わせ先:ノルケイン ジャパン TEL.03-6864-3876 https://www.norqain.com/?lang=ja
<私的ベストウオッチ③>D.ドルンブルート&ゾーン「99.6-Mムーンフェイズ」
D.ドルンブルート&ゾーン「99.6-Mムーンフェイズ」Ref.99.6-M(GR)ST 137万5000円/手巻き(ユニタス改)、毎時1万8000振動、50時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ。直径40mm(厚さ10mm)。5気圧防水
機械式時計黄金期に使用していた工作機器を駆使して製造
「マスターウオッチメーカーのディルク氏は、機械式全盛期の古い工作機械を使うのが大好き。ドイツ流高級ムーブメントの作りが絶品で、所有欲を掻き立てる。そんな技術に惚れたことが、本誌オリジナルウオッチ制作のきっかけになりました」
問い合わせ先:マインドアーチスツインターナショナル TEL.03-6323-4888 https://mind-artists.wixsite.com/dornblueth
オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ 321 ステンレススティール」Ref.311.30.40.30.01.001 166万1000円/手巻き(自社製Cal.321)、毎時1万8000振動、約55時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径39.7mm。5気圧防水
マスターピースを復元するために研究を重ねたオメガに感服
「名機の忠実な復元を目指して研究開発を重ねたオメガの努力に感動を覚えると同時に、昔の設計を現代に蘇らせることの難しさを改めて思い知らされた一本。組み立ては、一人の時計師が専任で行うという特別な手法を採っていることも魅力です」
レマニア社によって設計されたキャリバー321は、1957年に発表された初代スピードマスターに初搭載。古典的なロービート、仕上げの美しさ、高機能などで高く評価された。これを現代技術で見事に復活させた
エド・ホワイトによる宇宙遊泳(1965年)ではスピードマスターST 105.003が、アポロ11号の月面着陸(1969年)にはスピードマスターST 105.012が使用された。どちらもキャリバー321モデルであり、「スピードマスター ムーンウォッチ 321 ステンレススティール」はその最新仕様を備える
ガードのないリューズ&プッシャー、文字盤上に「PROFESSIONAL」の表記なし、そして古い時代のΩマークなど、ヴィンテージ・スピードマスター譲りのディテールを再現
問い合わせ先:オメガお客様センター TEL.03-5952-4400 https://www.omegawatches.jp/ja/
IWCシャフハウゼン「ポルトギーゼ・オートマティック 40」Ref.IW358305 79万7500円/自動巻き(自社製Cal.82200)、毎時2万8800振動、60時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ。直径40.4mm(厚さ12.3mm)。3気圧防水
待ってました! と心で叫んだ自動巻きポルトギーゼの3針
「これまでクロノグラフが最も手に入れやすかったという異質なコレクションに、ようやく加わった待望の自動巻き3針は、最長8年保証などアフター面でも魅力的。デザインはまさしくポルトギーゼの本流といえるシンプルさです」
ゴールドモデルもラインナップされているが、ステンレススチールモデルの方がデイリーユースの面で扱いやすい
スーツやシャツの袖口に引っ掛かりにくい12.3mm厚。インデックスの立体感や繊細な設計の針など、隠れたディテールにIWCの高度な技術が垣間見れる
「ポルトギーゼ・オートマティック 40」Ref.IW358303 79万7500円/ステンレススチールケース
ステンレスモデルのシースルーバック。顔を覗かせる自社製造のキャリバー82200は、耐磨耗性に優れるセラミックパーツを用いたペラトン自動巻き機構を備える
「ポルトギーゼ・オートマティック 40」Ref.IW358304 79万7500円/ステンレススチールケース
問い合わせ先:IWCシャフハウゼン TEL.0120-05-1868 https://www.iwc.com/ja/
Text/WATCHNAVI編集部
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