“時計界のアカデミー賞”と称される年一回の時計の表彰、「GPHG(ジュネーブ ウォッチ グランプリ)」が開催された。時計に精通するジャーナリストや関係者たちの投票によってその年の優れた時計が選出され、複数の視点からの賞が贈られる。例年通り、スイスのジュネーブにて権威あるグランプリの授賞式が行われ、以下の時計などが2019年の“顔”として選ばれた。
なお本グランプリにはロレックスやパテック フィリップのほか、オメガやブレゲが所属するスウォッチ グループら一部ブランドは参加していない。
■最優秀賞エギーユ・ドール賞
オーデマ ピゲ
「ロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー・ウルトラ シン」Ref.26586IP.OO.1240IP.01 150’800 CHF
“時計界のピカソ”こと、ジェラルド・ジェンタによる美しいデザインに、世界でもっとも薄いパーペチュアルカレンダー搭載の自動巻きムーブメント(厚さ2.89mm)を備えた逸品。超薄型で複雑時計の歴史を塗り替えた偉業が、最優秀賞選出の大きな理由となった。
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■レディスウオッチ賞
シャネル
「J12キャリバー12.1」
Ref.H5700 69万5750円
シャネル独自のスイス製ムーブメントとして新開発された、「キャリバー12.1」を初搭載。COSC認定クロノメーターの高精度で、70時間パワーリザーブも確保する。シースルーバックケースは、セラミックにサファイアガラスをはめ込んだ美しく完璧な構造。
■メンズウオッチ賞
ヴティライネン
「28ti」
Ref.218INV 86’000 CHF
文字盤がなく、メカニズムをダイレクトに表現。天才時計師、カリ・ヴティライネンが手掛けたヴァントゥイット用ムーブメントを、直径39mmのスタイリッシュなチタンケースに収めた。世界限定8本。
■メンズコンプリケーションウオッチ賞
オーデマ ピゲ
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ミニッツリピーター・スーパーソヌリ」
Ref.26395BC.OO.D321CR.01 317’800 CHF
2016年発表の特許取得済みミニッツリピーター・スーパーソヌリ技術を用い、美しい音響を実現。手巻きムーブメント、Cal.2953を搭載する。スモークブルーダイアル。ブティック限定販売。
■アイコニックウオッチ賞
オーデマ ピゲ
「ロイヤル オーク「ジャンボ」エクストラ シン」
Ref.15202BC.OO.1240BC.01 638万円
1992年のロイヤル オーク誕生20周年に発表された「プチ・タペストリー」模様を配するピンクゴールド色のダイアルを再現。同文字盤と18Kホワイトゴールド製のケース&ブレスレットの組み合わせは、本作が初となる。
■カレンダー&天文時計賞
エルメス
「アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ メテオライトダイアル」
Ref.048356WW00 26’000 CHF
独自開発のモジュール「ルゥール ドゥ ラ リュンヌ」を採用し、隕石ダイアル上に時、分、日付に加えて、ダブルムーンフェイズ(北半球と南半球から見た月相表示)を美しくレイアウトした。世界限定100本
■クロノグラフ賞
ブルガリ
「オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック」
Ref.103068 207万3610円
世界最薄記録を連発するオクト フィニッシモに、クロノグラフとGMT機能を追加。こちらも自動巻きクロノグラフの最薄レコードを更新した。操作性の良いデュアルタイム表示も秀逸。直径42mm、厚さ6.9mm。
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■ダイバーズウオッチ賞
「セイコー プロスペックス LXライン」
Ref.SBDB027 69万3000円
今年誕生したプロスペックスのハイクラスシリーズで、ラテン語で“光”を意味する「lux(ルクス)」から命名。ブランド監修者に世界的な工業デザイナーの奥山清行氏を据えている。スプリングドライブ。
■チャレンジウオッチ賞
チューダー
「ブラックベイ P01」
Ref.70150 42万6800円
1960年代後半、アメリカ海軍の兵士向けに、コードネーム「コマンドー」として極秘裏に開発されたダイバーズのプロトタイプを復刻。約半世紀を経て復活を遂げた本作は、ベゼルを固定するヒンジ仕様のエンドリンクも再現している。自動巻き。
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